香港を代表するショッピング街、銅鑼湾。そこに並ぶ店先の様子は派手で、慎ましさとはおよそ結びつかない。そんな街中に、薬局と衣料店の間に挟まれた小さな書店がある。その目立たない入り口は、最近この店が蒙っている噂とは程遠い印象を与える。 ここ銅鑼湾書店では複数の関係者が失踪する怪事件が起きており、中国当局の秘密諜報員による拉致が疑われている。この事件を受けて香港では、元英国領である香港の自治が中国の統治下でどうあるべきかについて激しい論争が展開されている。 一続きの階段を2つ上がったところにある銅鑼湾書店の扉は、今やかたく施錠されている。そこを目指して階段を上っていくまばらな人影はジャーナリストか、あるいはここ数カ月の間に関係者5人が行方知れずになったという報道に興味を抱いた通行人だ。多くの香港人は中国本土の諜報員が関与した可能性を懸念しており、不明者たちが標的になったのはこの書店がゴシップ本を
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