文字によって作者の感覚と読者の記憶がリンクする読書のメカニズムを探り、ストーリーではなく、細部の触感表現に注目することで見えてくる、文学の持つ多彩な魅力を伝える。 谷崎潤一郎、永井荷風、江戸川乱歩から、川上弘美、金原ひとみまで、作品に記された感覚表現から、読書という行為から失われつつある身体性を問い直す。 はじめに 総 論 触感の文学史が切り開くもの 第Ⅰ部 小説に描かれた「身体」と触感 第一章 立体造形と触覚─江戸川乱歩「人間椅子」「盲獣」 第二章 女の身体の表現実験─永井荷風「腕くらべ」 第三章 視覚の喪失と手触り─ 谷崎潤一郎「盲目物語」「春琴抄」泉鏡花「歌行燈」 第Ⅱ部 人と人との触れ合い 第四章 歌留多会から─尾崎紅葉「金色夜叉」斎藤緑雨「門三味線」 第五章 産児調節・堕胎・避妊─谷崎潤一郎「卍」 第六章 不感症という逆説─ 三島由紀夫「音楽」「沈める滝」大岡昇平「武蔵野夫人」
本屋大賞 本屋大賞2016は、宮下奈都『羊と鋼の森』(文藝春秋)が受賞しました。さてこのタイミングで、ノミネート作品の電子版はどれだけ配信されているでしょうか? 久しぶりに調べてみました。 2013年の調査結果はこちら。 今回の調査対象電子書店は、「Kindleストア」「BOOK☆WALKER」「BookLive!」「Reader Store」「honto」「ポンパレeブックストア」の6カ所とします。 「Kindleストア」は直近の各種リサーチで利用率が最も高いため。「BOOK☆WALKER」はKADOKAWA直営で、先行配信があったり未配信があったりするため。「BookLive!」は出版デジタル機構、「Reader Store」はブックリスタ、「honto」はモバイルブック・ジェーピー、「ポンパレeブックストア」はメディアドゥと、電子取次それぞれの実力を測ります。 調査対象作品は翻訳部門
ロゴは、企業やお店のイメージを作る大切な役割を担っています。一目ロゴを見ただけで「あの企業だ!」と認識できるような、心に残るデザインが望ましいですね。「心に残るロゴ」の制作は、単純に多くの人に認知されれば、ビジネスとして成功したと言えるのではないでしょうか。ここでは、シンプルなのに印象的なロゴを作成するコツについて、4つの視点で考えていきます。 シンプルなのに忘れられないロゴの特徴とは? 世の中には、デザインとしてはとてもシンプルなのに、どこか印象に残るロゴがありますよね。 例えば有名ハンバーガーチェーン店が挙げられます。曲線で描かれた黄色のアルファベット「M」を見れば、多くの人がマクドナルドを想像するでしょう。また、同じ「M」のロゴでも、緑の看板に白抜きのMを見れば、モスバーガーを連想できます。シンプルなデザインでも、色や形で個性を出し、他社の差別化を図っているのです。 限りなくシンプル
1947年創業の老舗書店主催、 「第4回ブックカバーコンテスト」一般投票受付中! ~大賞発表は4月28日、受賞作はブックカバーに採用~ 有限会社一進堂(所在地:埼玉県朝霞市、代表取締役社長:山崎 幸治)が運営する、“ギフトが選べるちょっといい街の書店”がコンセプトの老舗書店「CHIENOWA BOOK STORE(チエノワブックストア)」は、「第4回ブックカバーコンテスト」を主催しています。現在、本コンテストの最終審査である一般投票を店舗にて実施中で、大賞の発表は2016年4月28日(木)に行います。 大賞受賞作は、実際にブックカバーとして製作いたします。 第4回ブックカバーコンテスト告知チラシ 店舗URL: http://www.chienowa-bs.com/ ■毎年開催しているブックカバーコンテスト 購入された本を包装する紙製ブックカバーのデザインを公募し、そのうち数点を店内に掲示し
何でもいいから本を読みたい、意味なく読書を楽しんでみたいという人には格好の本だ。なんの目的がなくとも、ほとんど意味がなくても、本を読むということをこんなに楽しめるというのは、読書における醍醐味といっていいはずだ。 タイトルのとおり、50の孤島が紹介されている。『ドイツのもっとも美しい本』に選ばれただけあって、とても綺麗な本である。しかし、その印刷と造りは極めてシンプルだ。一つの島が見開きで紹介されていて、左側がマリンブルーの海に浮かんだ島の地図。地図の縮尺はすべて同じで、ページの縦横がおおよそ39kmと27kmになっている。 まず、そのひとつを見ていただきたい。この地図をひと目見てどこかわかる人は相当な地理フリークか歴史フリークだろう。答えはセントヘレナ島である。いうまでもなく、あのナポレオン・ボナパルトが流刑され終焉を迎えた島だ。 セントヘレナ島がどこにあるかをご存じだろうか。それを示す
Stephen King: The Writer's Voice - Writer's Edit こんにちは、kanataです。 前回の記事に引き続き、スティーブン・キングの発言をまとめていきたいと思います。今回は、作家を目指す人に向けたメッセージ集。(日本語は、個人の意訳です。) まずは、こちらの本から 書くことについて (小学館文庫) 作者: スティーヴンキング,Stephen King,田村義進 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2013/07/05 メディア: ペーパーバック この商品を含むブログ (22件) を見る 原書: On Writing (English Edition) Good story ideas seem to come quite literally from nowhere, sailing at you right out of the empty s
リスは秋の森で胡桃を集める。冬に備えてそれを食べ、食べきれなかった分は翌日のためにこっそり隠す。たとえば巣穴の奥へ、たとえば地面に穴を掘って。 ところが、リスはそれを忘れてしまう。たくさんのリスたちによって埋められた胡桃が、春になるとあちこちで芽を出す。そのうちの何本かは無事に葉を広げ、すくすくと背を伸ばし、胡桃の木に育つ。 文庫本は胡桃だ。書店は秋の森だ。町を歩いているときにふと立ち寄った店で、なにげなく見つけた文庫本を買い、持ち歩く。もちろん、読む。読みきれなかった分は、後で読むつもりで鞄やコートのポケットに、入れる。しまう。隠す。そして、忘れる。リスの流儀だ。これで次の春に芽を出す準備は整った。 文庫本というのは、大きくて重くて持ち運ぶことのむずかしかった単行本に翼をつけたかたちだ。小さくて、薄くて、読みやすく、買いやすく、持ち運びやすい。どこへでも連れていって好きな場所で読める。し
並んだ、色とりどりの本。 外を歩きながら、膨大な量の本の背表紙に目を向ける。 いつもは屋内で見ることが多い、本が並ぶ光景。 閉ざされていない、広がる空間の中で見たからだろうか、よりこちら側、日常に入り込んできている感じがする。 情報情報情報。 探そうとしなけりゃ。 膨大な情報の中から、探す 休日に訪れた、 神保町 。 妻が古地図に急に興味を持った。 僕は植物の本を探していた。 古本屋巡りでもしよう、と出向いた次第。 快晴。 神保町に行くならこんな天気の日がいい。 外でゆっくりと本を眺めるのが好きだ。 別に開かなくてもいい。背表紙をただただ眺めてみる。 自然光にあたっているのを見ると、印象がなぜか変わったりするのだ。 膨大な量の本を目の前にすると、なんだか大きな生物の脳内に入ったような、不思議な感覚がある。 情報の集まりを目の当たりにして、ただただ眺める。 これだけ情報が並んでいたら、自分か
全国の書店員がいちばん売りたい本を決める、「2016年本屋大賞」の受賞作が決定した。全国435書店、552人の投票の結果、上位10作品として選ばれたノミネート作品から大賞に選ばれたのは、宮下奈都の『羊と鋼の森』だ。 同書は、ピアノの調律に魅せられた一人の青年が調律師として、人として成長していく姿を暖かく静謐に綴った長編小説。主人公・外村は何事にも執着心のない少年だったが、ピアノの調律師である板鳥に出会い、その仕事ぶりに魅了されてしまう。その瞬間、ピアノをまともに弾いたことさえない彼は、調律師の道を進むことを決意する―。 関連記事 ピアノの調律に魅せられた青年を通して描かれる、生きることの意味と歓び【2016年本屋大賞ノミネート『羊と鋼の森』(宮下奈都)】 大賞を受賞した宮下から、喜びのコメントが届いている。 2016年の本屋大賞に選んでいただきまして、どうもありがとうございました。 この作
研究文献 入門書 長澤雅男・戸田愼一編『図書館学研究入門:領域と展開』(日本図書館協会、1990) 第2章 図書および図書館の歴史(戸田愼一執筆) JLAほか発行の教科書類 教科書の比較分析については、関西文脈の会第20回勉強会報告「司書養成科目「図書・図書館史」を考える 問題編と解答編」が参考になる。 動向紹介 研究史 石井敦「わが国の図書館史研究について」『図書館文化史研究』20号(2003年) 戦後の研究についての回想。 三浦太郎「日本における図書館史研究の概況」上田修一研究代表『エビデンスベーストアプローチによる図書館情報学研究の確立』文部科学省科学研究費補助金研究成果報告書(基盤研究(B)、課題番号18300081、2008年) 戦前からの図書館史研究の歴史,戦後中心。史料について。 文献レビュー 三浦太郎「CA1673 研究文献レビュー 図書館史」『カレント・アウェアネス』No
dabunmaker.hatenablog.com いや、読書感想文って大事ですよ。 問題は、読書感想文という課題の意味が正確に理解されていないところにあると思う。 【スポンサーリンク】 読書 感想文 穴埋めとレンゾンデートル 文章読解の意味 読書 読書感想文の課題図書(対象)にハウトゥ本はない。 物語が多いですよね。 これは物語の構造で書かれている「主題が何か?」というリーディング(読解)能力をはかるためにある。 ハウトゥ本は「解く」必要のない、書かれていることを「読む」だけの本なので読書感想文にはむかない。 この場合の読書は、文章読解を指す。 文章読解ってのは「読む」だけじゃなく「読み解く」んですよ。 文章を「読む」ことは、言葉と文法を覚えればできる。 しかし文章を「解く」ことは教えるのも学ぶのも難しい。 文章読解を段階でみると、 読み→感じ→考え→説く 読書は、多くがこの途中段階で止
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