これまで筆者は送りバントの有効性について数多くの検証を行ってきた。前回の記事で、無死一塁という状況についてはほぼ決定版的な検証ができたと思う。ただ今回はこれまでの検証とはやや異なる角度からバントの検証を行ってみたい。今回取り上げるのは、スリーバントやピンチバンターといった戦術が有効なのかどうかである。 スリーバントは有効な戦術なのか? スリーバントはファウルになった場合に三振となってしまう。そのためバントを試みていても2ストライクとなるとヒッティングに切り替えることが多い。一方で、2ストライクと追い込まれた状況ではヒッティングに切り替えたところで、良い結果は期待しづらい。意外にも打者の能力次第ではそのままバントをさせた方がよいこともあるかもしれない。そこで、スリーバントの有効性を調べていく。 まずはストライクカウント別のバントを試みたときの結果を見ていく(表21)。バント結果にもかかわらず