自らを「イノベーティブ」な企業であると自認し、他人とは異なる角度と方向の発思を評価するというダイソン。2016年は高い吸引力を誇る掃除機で培ったインペラー(羽根車)とモーター、それに羽根のない扇風機で培ったノウハウを用いてヘアドライヤーという成熟市場に新たな着想を持つ商品を持ち込んだ。 そんなダイソンの中で、今ひとつパッとしなかった商品ジャンルが買収事業である照明製品だ。掃除機における「ルートサイクロンクリーナー」や扇風機における「エアマルチプライヤー」に比べるとオリジナリティこそなかったものの、製品そのものの品質はよかった。だが、ダイソンが買収する前の2014年1月、Jake Dyson Productsが日本向けにプロモーションを開始した「CSYS(シーシス)」は、メーカー側からの情報発信とユーザーニーズの間に少しばかりズレがあった。 消費者に届かない”製品の本質” 独自の発想や技術が