奨学金を申請しようとする未成年者が虐待などの事情で親権者の同意を得られないケースについて、日本学生支援機構は30日、門前払いしてきた従来の対応を改め、申請を受け付けると発表した。親権者の同意がなくても、児童養護施設長の代行を認めるよう、内部規定を変える。5日付朝日新聞「声」欄(東京本社発行)に掲載された投書が一つのきっかけになった。 「声」欄で、栃木県さくら市の児童養護施設長、福田雅章さん(50)は「奨学金受け付けに柔軟さを」と訴えた。実母から虐待を受け、十数年施設で暮らしていた女性(18)が今春、都内の女子大に進学。同機構に奨学金を申請しようとしたところ、親権者の同意がないことを理由に拒まれた。福田さんは大学を通じて「実母との関係は切れていて、同意は望めない」と事情を説明したが、受け付けてもらえなかったという。 同機構は、親権者の同意を必要としてきた理由について、「奨学金の貸与を含め