石油やシェールガスを産出する際に排出される「随伴水」処理について、信州大学の遠藤守信特別特任教授(69)の研究チームが、黒鉛を活用した浄水システムを考案した。 黒鉛は従来の油吸着剤よりもコストが安いのが特長で、現在特許を申請中。今後、国内外の企業に同システムを提案し、実用化を目指す。 研究チームによると、石油を産出する際には、石油の3~6倍の随伴水が発生するという。この随伴水は油分を含むため海洋汚染の懸念もあり、各企業は浄水システムを導入しているが、信大はその技術改良に取り組んでいた。 研究チームは、浄水で最も重要な役割を果たす吸着剤について、天然黒鉛に硫酸を加え、急激に加熱して作る「膨張黒鉛」を採用。遠藤教授は「活性炭など従来の素材に比べ、黒鉛は導入コストが半分以下に抑えられる。水処理に活用するのは世界でも珍しい」としている。 また、処理性能にもこだわり、油の濃度を最大で1000分の1に