科学技術振興機構は、温和な条件で水素ガスを生成、分解する半合成型鉄ヒドロゲナーゼ酵素の創出に成功したと発表した。 燃料電池を含む水素の工業利用については、触媒として白金などの希少金属が利用されており、コスト面や量産化の面で大きな課題を抱えている。政府などが訴える水素社会の実現に向けては、大幅なコストダウンが必須となるが、そのためには、これらの高額な希少金属の代替物質の発見が重要になる。 一方で、自然界を見た場合、さまざまな微生物が常温常圧の通常環境において水素ガスを生産しているという状況がある。これらの微生物は「ヒドロゲナーゼ」酵素と呼ばれる生体触媒を用いて水素ガスの活性化を実現している。今回の研究開発で実現したのは、このヒドロゲナーゼ酵素の創出に成功したというものだ。 科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業において、マックスプランク陸生微生物学研究所のグループリーダー嶋盛吾氏ら
