美は生活の中にある。名もなき職人の手によってつくられ、日常とともにある様々な工芸品に美を見出した民藝運動。私はその考えを一歩進め、日常の中にある言葉に光を当て「民藝」にもうひとつの言葉、民衆的文藝を与えたいと思っています。 今年の末に開店を目指している「ミンゲイ 民衆的工藝と民衆的文藝」は、様々な地方にある民藝品と、私たちが日常使っている言葉を切り取って商品として販売する店です。日記、手紙、メモ、ビデオテープ、カセットテープ、8ミリフィルム、ネットにある文章など、掘っておけば、そのまま消えてしまう言葉の数々。それを掘り起こしていきます。 それと同時に、当面は高円寺を中心とした、様々な方々に聞き書きをし、それを印刷し、綴じて冊子にしていきます。やがては消えて行ってしまう、大勢の方の思い出が形になり、この店でアーカイブされていきます。過去と現在を未来へとつなぐ店です。