財前 謙 著『日本の金石文』(芸術新聞社)が刊行されました! 待望の新刊です! 財前先生には、小社にて『會津八一題簽録』、 『検定 変体がな』をお出しいただき、また、 「武蔵野文学」などの題簽もお書きいただいております。 今回、新著を御恵送いただきました、 ありがとうございました。 本書は、雑誌「墨」に連載された「日本の金石文」に、 書き下ろしの一編を加えてⅠとし、さらに「書く─もう一つの意味」を Ⅱとして再構成されたものです。 本書「序」に、 「ところで、仮名文字の大半は紙に筆で書かれたが、そればかりを見て仮名が分かったつもりになっているのは、まるでコインの表だけを見て裏を見ていないようなものではなかろうか。(中略)女手とよばれる仮名の前提に写経があり、写経の前史にはやはり金属や石に刻したり、あるいは鋳込まれた金石文があった。だから上代の金石文を知らずして女手にたどりつくことはできない。