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ブックマーク / takeda25.hatenablog.jp (17)

  • TeX の発音 - アスペ日記

    今さら、TeX の発音が話題になっているようです。 TeXはテック もう何度目だというぐらい目にしている気がするのですが、この問題は質的にややこしいのでどうしようもないですね。 この問題について書かれているページのひとつとして、以下のものがあります。 「TeX」の読み方はテフ、それともテック? これは非常に詳しく書かれていて、付け加えることなんてないようにも思えますが、ほかの言語の事情も含めて書いてみます。 まず、クヌース自身の書いていることから。 上記のページにある通り、彼は「TeXを知っている人は、TeXのχをxとは発音せず、ギリシャ語のchiのように発音する」と明確に書いています。 発音記号では [tex](「テッフ」のような音)となります。 この [tex] を正式発音と考えると話は簡単です。 いくつかの言語では、この正式発音をもとにして、それぞれの言語流の発音をしています。 ロ

    TeX の発音 - アスペ日記
  • 「日国友の会」に狂ったように投稿しまくった話 - アスペ日記

    「日国語大辞典」、通称「日国(にっこく)」という辞書がある。 この辞書は全14巻、その規模・充実度は他の追随を許さない。 といっても、全14巻・220,500円だけの空間と金銭を用意するのは簡単ではない(特に前者)。 せめて 1巻だけでもと購入した人もいて、記事を読むとその陶酔具合が伝わってくるが、ぼくにはなかなかそれすらもできず、ジャパンナレッジに年会費 15,750円(ちょうど日国 1巻分だ)を納めてネットで使っている*1。 ただ、その人のこの言葉はいただけない。 この大著の中に載録されていない日語は、すなわち日語ではないということなのだよ、君。 http://d.hatena.ne.jp/the-world-is-yours/20110530/p2 いや、どんなに優れた辞書であっても、それは言葉を映す「鏡」にすぎない。 鏡と実態に違いがあったら、間違っているのは常に鏡で、実態の

    「日国友の会」に狂ったように投稿しまくった話 - アスペ日記
  • ひっくり返したら意味が変わる熟語・変わらない熟語 - アスペ日記

    漢字熟語の中には、ひっくり返しても似たような意味になるものがある。 外国:国外 白黒:黒白 回転:転回 左右:右左 中途:途中 糧:糧 生死:死生 文例:例文 習慣:慣習 それぞれ使いどころやニュアンスは少しずつ違うけれど、だいたい同じような意味になる。 これらは、主に三通りに分類できる。 (1) 回転:転回、習慣:慣習、糧:糧 (2) 白黒:黒白、左右:右左、生死:死生 (3) 外国:国外、中途:途中、文例:例文 どういう基準で分けているかわかるだろうか。 (1) 似たような意味の漢字を並べたもの 「」と「糧」には、どちらにも「たべもの」という意味がある。だから、それらを組み合わせた「糧」や「糧」も、やはり「たべもの」という意味になる。 そもそも、なぜ似たような漢字を並べた熟語があるのか。 それは中国語の話になる。 同じような表現を並べて意味を強めるということはいろいろな言

    ひっくり返したら意味が変わる熟語・変わらない熟語 - アスペ日記
  • 「〜足りうる」という書き方 - アスペ日記

    ちょっと前に、次のようなタイトルの記事を見てびっくりしたことがある。 セルフパブリッシングはなぜ初音ミク足りえないか? これを見たときは、頭が痛くなる気持ちだった。 電子書籍とはいえ、「書く」ことに携わる人間が、どうやったら「足りえない」なんて書き方ができるんだ? と。 そう思ったが、その時はただ「こんなアホもいるのか」と、個別の人間の問題に帰して流してしまった。 しかし、つい先日、次のようなを目にして言葉を失った。 誤訳も芸のうち―文芸翻訳は一生の仕事足りうるか (柏艪舎文芸シリーズ)posted with amazlet at 13.05.29山光伸 柏艪舎 売り上げランキング: 406,117 Amazon.co.jpで詳細を見る*1 「文芸翻訳は一生の仕事足りうるか」という副題。 これは電子書籍ではなく、紙のだ。 出版されるまでには、何人もの出版関係者の手を経ているはず。 そ

    「〜足りうる」という書き方 - アスペ日記
  • 翻訳の品質管理 - アスペ日記

    に住んでいると、あらゆる物・サービスの品質が高いレベルで保証されていることが自然に期待できる。 そんな日にいて、唯一*1品質に信頼がおけないものがある。 それが「翻訳」。 高校生ぐらいのころ、英語と日語訳を読むようになって、そのことに気がついた。 最初の経験は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のノベライズ。 バック・トゥ・ザ・フューチャー (新潮文庫)posted with amazlet at 13.03.30ジョージ・ガイプ 新潮社 売り上げランキング: 243,145 Amazon.co.jpで詳細を見る 最初に英語版を読んでから、この日語版を読んだ。 翻訳は全体として非常に読みやすい。 だが、ところどころ明らかに英語と違い、そのために意味が通らなくなっているところがある。 原文と突き合わせてみると、明らかな誤訳だ。 というものに対して、ある種の権威を感じていた自分に

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  • 岩波文庫は ISBN のルールに従っていない - アスペ日記

    まず宣伝から。 最近、カフカ「変身」を翻訳して Kindle に出しました。 おかげさまで、ロイヤリティが缶ジュース一分をちょうど越えたところです。 もう一人買ってくれたら自販機のペットボトルが買えるぐらいになります。 世の中ちょろいですね。 まあ、それはともかく。 Amazon に消されたを救出したいを読んで。 「変身」を訳す際に、著作権の切れた原田義人氏のバージョンを参考に訳し、訳し終わってからは誤訳がないかチェックするため、既訳をいくつか購入しました。 それで、手元には岩波文庫の 変身・他一篇(カフカ 作/山下 肇 訳) 変身・断芸人(カフカ 作/山下 肇・山下 萬里 訳) があります。 上記記事を読んで、裏の ISBN を見てみました。 まったく同じです。 で、「変身・断芸人」のほうの奥付を見てみると、 1958年1月7日 第1刷発行 2004年9月16日 改版第1刷発行と

    岩波文庫は ISBN のルールに従っていない - アスペ日記
  • 虫の「羽」は正しい - アスペ日記

    最近、NHK のニュースで「昆虫 昔はもっと羽があった」というものがありました。 このブコメ*1に「昆虫の『はね』は『翅』と書くのが正しいんじゃないの?」と思っている人がいるようなので、また記事を書くことにしました。 例によって、実例から入ります。 虫について「羽(根)」が使われている例です。 螽蟖の記 室生犀星 (1965年) きりぎりすは昼間もなくが、風が吹くとなく。風が吹くと羽根さばきがらくになり、気持よくなけるらしい。 黄金虫 エドガー・アラン・ポー 佐々木直次郎訳 (1951年) あの虫はどこからどこまで、羽根だきゃあ別だが、外も中もすっかり、ほんとの黄金虫でさ。 クララ 林芙美子 (1947年) 羽根の生えた蟻のような蟲がぶうんと山吹の枝へ飛んで來て兩手でお祈りをしています。 番茶話 泉鏡太郎 (1942年) 蟲(むし)は、美(うつく)しい羽(はね)も擴(ひろ)げず、 こうして

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  • 「本来」の日本語を捏造する人 - アスペ日記

    思い込みを補強するために資料を探す人っていますよね。 日語の問題に限らないと思いますが。 自説に都合のいいもの以外をガン無視する人。 今回は、日語に関してそのようなものを見たので、ここで取り上げてみたいと思います。 日語には「目をみはる」という表現があります。 この「みはる」は漢字で書くとどうなるのか。 結論から言うと、「見張る」でも「瞠る」でも、またもちろん平仮名で「みはる」と書いても、間違いということはありません。 ですが最近、次のような記事を見つけました。 瞠ると見張る この人の思い込みは、次のようなものです。 目を大きく見開くの意味の「みはる」は「瞠る」が来の表記ではないのだろうか。瞠が常用漢字の表外字であるため、代用表記として「見張る」も許容されるようになったというのが自分の理解である。 「自分の理解である」と言っておきながら、その後の論はすべて、この理解が正しいという前

    「本来」の日本語を捏造する人 - アスペ日記
  • 「元旦=元日の朝」説、あるいは日本語のトリビア化について - アスペ日記

    今回は、「元旦=元日の朝」説について。 きっかけは、ある Twitter アカウントの発言から。 元日の意味で元旦を使っている文を探すだけの簡単なお仕事 これを見て思った。 あぁ、この人は「元旦=元日の朝限定」だと思っているんだな、と。 この俗説は、昔からチラホラと耳にすることがあった。 もっとも、昔であればそういうネタは特に広がることもなく、大きな害もなかったところだ。 だが、インターネットはそういうものを際限なく増殖させる性質を持っている。 だから、そういう俗説に対しても、これまでのように流しているだけではまずいと思い、記事を書くことにした。 まず、「元旦」という単語の起源から。 この単語は、中国語から日語に入ったものだ。 比較的古い*1用例としては、宋代の「夢粱錄/卷01」という文献に 正月朔日,謂之元旦,俗呼為新年。(正月のついたちは、元旦といい、俗に新年と呼ぶ) というものがあ

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  • 「恣意的」誤用説 - アスペ日記

    「『恣意的』という言葉の誤用が広まっている」という説があります。 ニコニコ大百科-恣意的 文中での登場の仕方が似ているせいか、意図的、作為的、故意、という意味で使われることがある。しかし恣意的には、無作為や定まった意図がないというニュアンスがあり、正しくない。 はてなキーワード-恣意 「恣意的」はしばしば「意図的」と混同され誤用されることの多い語である。「恣意的」であるとは一貫した思想に基づかずその場限りの考えに基づいている点で、明確な目的をもった「意図的」とは区別されるべきである。 例えば、記事を自社の思想に沿うように事実をねじ曲げて書くといった文脈では「意図的」もしくは「故意」を使う。 どうも首をかしげてしまうような主張です。はてなキーワードのほうでは、大辞林から「恣意」の語釈を引用していますが、その一つ目の語義はこうなっています。 (1)その時々の気ままな思いつき。自分勝手な考え。

    「恣意的」誤用説 - アスペ日記
  • なぜ広まった? 「『訊く』が正しい」という迷信 - アスペ日記

    タイトルはパクリ。 二つの疑問 タイトルを読んだ人の反応は、主に次の二つに分かれる*1だろう。 「訊く」が正しいなんて思っている人がいるの? 「たずねる」という意味では「訊く」が正しいんじゃないの? まず、「訊く」が正しいなんて思っている人がいるの? という人に対して。 当にいる。 Yahoo! 知恵袋の質問から引用。 聞く・聴く・訊く・・・「きく」の使い分けについて 噂を聞く (中略) 道を訊く 上記例で使用例は合っているでしょうか? 訊 字は、たづねるの訓があり、訊問(じんもん)という言葉もありますから、人に問うの意味で使うと考えて良いでしょう。 (中略) 質問者さんの挙げた例は、正しく使い分けられています。 こういう人は実際に「訊く」が正しいと思っているということだ。 そして、「訊く」が正しいんじゃないの? という人に対して。 小説から少し引用する。 まず、「坊っちゃん」の冒頭部分

    なぜ広まった? 「『訊く』が正しい」という迷信 - アスペ日記
  • 「聞く」と「訊く」の使い分け - アスペ日記

    まず最初に。 「聞く」と「訊く」の使い分けは、「意味によるもの」ではありません。 こう言うと、若い人の中にはえぇっ? と思う人もいるかもしれません。質問するのが「訊く」で、音楽を鑑賞するのが「聴く*1」で、それ以外が「聞く」じゃないの? と。 それが、違うんです。少なくとも、伝統的には違いました。ある程度の年齢で、を少し*2読んでいる人は知っていると思います。 「質問をする」という意味でも、昔から「聞く」が使われているんです。 まず、「坊っちゃん」の冒頭部分を見てみましょう。 なぜそんな無闇(むやみ)をしたと聞く人があるかも知れぬ。 ここでは、「質問する」という意味で「聞く」が使われています。 字を書き換えたんじゃないの? と思う人がいるかもしれません。 しかし、書き換えというのは、「國」と「国」のように、旧字*3を新字に置き換えたりすることはありますが、「訊く」を「聞く」に置き換えると

    「聞く」と「訊く」の使い分け - アスペ日記
  • 日本語の用言リストを作りました - アスペ日記

    語の用言リストを作りました。 https://github.com/hiroshi-manabe/japanese_verb_adj_list 書くべきことはだいたいこちらの README に書いてありますが、少しだけ補足を。 このリストは既存の辞書やコーパス等をベースにしていますが、特に新語・俗語については、これまでの職場で働く中で自然と知識として蓄積されたものもあります。しかし、それらは語彙として自分の中で確固たる位置を占めており、その知識を使うことに倫理的な問題はないと判断しました。 用言リストを作るのに人間なんていらないよ、時代は機械だよ、という意見もあるかもしれませんが、現状で多くの IME は固定した辞書を持っており、また私自身もそのような IME を使いやすいと感じているため、作る過程では補助的にスクリプト等を用いても、最終的な判断は人間が行うのがよいと考えています。です

    日本語の用言リストを作りました - アスペ日記
  • 地味すぎて気づかれにくい日本語の変化 - アスペ日記

    語の変化というと、「的を得る」とか人気ですよね。 「的を射る」が正しい!とドヤ顔して、ちょっとした満足感を得るのにお手軽です。 しかし、日語の変化というのは意外と地味なところで起きていたりします。 いくつか書いてみます。 1. 「す」から「せる」へ 金融界を揺るがせている 将来に思いを巡らせる 五感を研ぎ澄ませて楽しむ 名刺を切らせてしまった これらの表現に違和感があるでしょうか。 まったくないという人もいるかもしれません。 しかし、「揺るがせる」「巡らせる」等は、辞書を見てもないことが多いのです。 辞書には、「揺るがす」「巡らす」として載っています。 「揺るがす」のほうは、「す」という使役形を含んでいます。 これは、元々は下二段活用(否定は「せず」)だったのが、下二段活用がなくなるとともに、五段の「す」(否定は「さない」)と下一段の「せる」(否定は「せない」)に分かれた片割れです。

    地味すぎて気づかれにくい日本語の変化 - アスペ日記
  • 実例に見る実用文のスタイル - アスペ日記

    印刷の日語は、非常に質が高い。編集者や校正者によってチェックされているからだ。 それに対して、ネットの日語は質がバラバラだ。書くことのプロでない一般人が日語を書くので、どうしてもそうなってしまう。 かといって、お金をもらうわけでもない文章にそんなに手間はかけられない。自分で気をつけるのが精一杯だ。 ここでは、気をつける時*1に参考になるようなことを、「森のくまさんの謎」を例として、特に「漢字と平仮名の使い分け」を中心に書いてみる。 ここでは、解説記事などの実用文を想定している。 また、この記事は「森のくまさんの謎」のようなスタイルを身につけたい人を対象としているので、もちろん誰かに強制するつもりはない。 漢字と平仮名の原則 大きな原則として、「意味の重いところは漢字で書き、軽いところは平仮名で書く」というものがある。以下では、それを具体的に解説する。 形式名詞は平仮名で書く また、娘

    実例に見る実用文のスタイル - アスペ日記
  • 身の振り方を考えるついでに、日本語について考えた - アスペ日記

    Google を辞めてから、頭を冷やすためにゆっくり休んで、その間にいろいろ考えた。 辞めた時に勢いで書いた記事には「IME の会社を受けてみたい」と書いたけれど、それでいいのか確信もなかった。 だって、IME の会社というと、某国産 IME *1を作っている*2徳島の会社ってことになるんだけど、はっきり言うと…斜陽の匂いがするっていうか…。 一方で、ネットの日語表記に対する違和感のようなものが、だんだんと自分の中でふくらんでいた。やたらと漢字が増えててムカツク…。 自分で N-gram かな漢字・漢字かな変換のような実験的なものは書いてみたけど、頑張って IME にしたところで ATOK ほどの使い勝手にならないのはわかってるし…。 頭の中で、こうしたゴチャゴチャした思いが渦巻いていた。こういう時に行動を起こしても、いい結果にならない。Google に行ってしまったのは不幸なミスマッチ

    身の振り方を考えるついでに、日本語について考えた - アスペ日記
  • 日本語入力について - アスペ日記

    私が日本語入力について思っていることを書いてみる。 自分としては、デフォルト以外の日本語入力システムとして、ATOKGoogle 日本語入力ぐらい(まあ、Baidu IME とかもあるが)しかないのが心の底から残念でたまらない。 雑誌の特集などで、Google 日本語入力ATOK に単語や文章を変換させて精度を比較しているものを見かける。まあ総合的には同じぐらいの結果になっている。だが、実際に長い間使っているとわかるのだが、Google 日本語入力の間違え方のほうが「理不尽」なのだ。どうしてこれがこうなる? と思わず言いたくなるような。その点、ATOK は弱い部分が前もってわかる。アニメやゲームなど、マニアックな変換には弱い。しかし、ATOK である程度日語の文章を打ち慣れた人にとっては、そういう「難しいだろうな」と思うようなところは、打つ前からそのことがわかるものだ。 ATO

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