今から35年ほど前の話になります。高校生だった私は地学の授業で偏光顕微鏡なるものを使って岩石を見ていました。 今の指導要領では物理・化学・地学・生物のうち3科目を選択することになっているらしく、地学はあまり選ばれずにすっかり日陰者のようですが、その頃は有無を言わせず4教科を習うのが普通でしたので、地学ももちろん1年間きちんと授業がありました。私の受け持ちの先生は地学の中でも岩石の専門家だったようで、私たちに薄く削った岩石(岩石薄片プレパラート)を顕微鏡で見せてくれたのです。その頃はよくわからず、ただ眺めていたのですが、ステージをくるくる回すときれいな色が出るその不思議な像は、今でもよく覚えています。 やがて社会人になり、理科実験講師という当時はたいへんレアな仕事(今でも珍しいですかね)をするようになったとき、あのきれいな岩石薄片プレパラートを子どもたちに見せてやりたい、という思いにかられ、