80歳を超えていても、とても読書家で勉強家。まだいろんな知識や技術を自分のものにしようとするオリバー爺さんは、その全てを、次は若者たちに伝えたいと思っているようだった。 「わしがこの森で教わったことは、今の世の中では、もう必要のないものばかりじゃ……。でも知ってほしい、そういう時代、そういう生き方があったことを」 そう言いながらオリバー爺さんは、1日に1回、杖をついて外にでてきては、私やトーニャ、トビエスやセビーナと話をするのを楽しみにしていた。 そんな爺さんは、特に私に、昔のインディアンの靴の作り方や、服の縫い方、工具の作り方などを教えてくれた。 思えば、子供の頃から、アメリカの西部開拓時代の映画やドラマが大好きだった私は、その不便な時代を生き抜く姿に感銘を受けて、今でも興味の根底に、「不便を楽しむ」ということがある。 だから、アラスカという厳しい環境も好きなのだ。 きっと、オリバー爺さ
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