まほろ市の駅前に位置する便利屋、「多田便利軒」。その経営者である多田啓介、そして彼の元へ転がり込んできた行天春彦。二人の下へ舞い込んでくる、どこか奇妙で、きな臭い依頼に係わっていくうちに、さまざまな人間模様が見えていく。痛快便利屋物語。 物語の舞台となっている「まほろ市」は、神奈川へ張り出した東京都南西部最大の街という設定であり、著者である三浦が在住している町田市がモデルとなっている。 東京都南西部最大の住宅街であり、歓楽街であり、電気街であり、書店街であり、学生街であるがゆえに、スーパーマーケットやデパート、商店街や映画館といった施設は軒並み揃っている。そのため、生涯を通して大凡のことがまほろ市内だけで済み、街から出て行く者が少なく、たとえ出て行ったとしても、また戻ってくる者が多い。 作中に登場する「ハコキュー」、「小山内町」と言った地名や風景の多くは、町田市内に実在する地名や建造物をモ