原子力発電所を持つ電力9社の2012年3月期の税引き後利益の赤字額の合計は1兆5190億円に達する見通しとなった。 税引き後利益が9社とも赤字になるのは、1952年3月期以降で初めて。 東京電力は11年3月期で、福島第一原発の廃炉費用などで1兆円規模の損失を計上し大幅な赤字となった。だが、12年3月期では事故の収束費用が減り、赤字幅が大きく縮小する。賠償負担は政府支援があるため業績にはほとんど影響がない。 東電以外の8社は、震災後に、原発が順次停止し燃料コストの高い火力発電の稼働に切り替えたため、12年3月期で決算が悪化する。特に原発への依存度が高い関西電力や九州電力などの赤字の増加が目立つ。