【ワシントン=山田哲朗】猫の水の飲み方を解明した米科学者チームの研究が11日、米科学誌サイエンスの電子版で発表された。 舌をひしゃくのように丸めてすくい上げる犬や吸い上げる馬と違い、水面に触れた舌先を引っ込め水を引き寄せる巧妙な方法だった。だれもが目にするこの猫のしぐさが、これまで科学的に解明されていなかった。チームは「猫の朝食からも科学は生まれる」と話している。 米マサチューセッツ工科大学(MIT)のローマン・ストッカー准教授は3年前の朝、飼い猫が牛乳をぴちゃぴちゃと飲んでいるのを眺め、「なぜ牛乳は重力に逆らって猫の口に入るのか」と疑問を抱いた。仲間の数学者や物理学者と一緒に、猫が水を飲む様子をハイスピードカメラで撮影したところ、真下に伸ばした舌の先を後ろに曲げ、丸まった舌先の表面で水面に触れていることがわかった。 舌を戻すと、舌先にくっついた水がその勢いで水面から離れて上昇し、水柱がで