映画『靖国』については現時点で取材対象者、被写体となった人物が李監督なり映画会社なりを訴えるという事態にはなっていない。という事実のみをもってして「なにが問題なの?」「当事者が訴訟起こしてないのに代理であれこれいうなんてそれどこのクサレサヨクですか?」と片付けてもいいのだが、まあ日本にはお年寄りをダシにして訴訟を起こしては敗訴する(だけでなく原告に不利な新事実の発掘に貢献してしまう)ことを得意技とする弁護士(兼国会議員)もいることだし、将来訴訟が起きないとは限らないので、ここんところはまあおくとしよう。 すでに述べたことだが(こことここ)、VAWW-NETがNHKほかに対して起こした民事訴訟の高裁判決は、取材対象者が番組の仕上がりを気に入らなくてつけたクレームはすべて受けいれるべし、なんて内容ではない。編集権が原則として番組制作者側にあるという点では別に最高裁判決と対立なんかしておらず、取