「戦争と性」 第25号 特集「慰安婦」問題の現在(2006年5月30日発行)に収録されていたもの。 大森典子氏は、中国人「慰安婦」損害等賠償請求事件」弁護団の一員として活動してきた人物。インタビューの聞き手は、収録雑誌編集部の谷口和憲氏。 2005年11月21日に東京・弁護士会館にて収録されたインタビューは、谷口氏の以下の切り出しからはじまる。 「『慰安婦』裁判については、当初、弁護士の方が『これは勝てない裁判です』とおっしゃっていたのを聞いて驚いたことがあります。『救済する法律がないのだから、勝てない。だから、いかにいい負け方をするか。裁判をやることによって世論を喚起して、立法化に繋げていく。裁判はそのための一つの手段』というようなことをおっしゃっていましたが、大森さんもやはり、そういうお考えでいらっしゃいましたか。」 答える大森弁護士は、「除斥期間」(注1)の問題で、救済を求めるのは今