2014年5月19日、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は、対国民談話を発表して、時に涙を流しながらフェリー船「セウォル号」沈没事故への政府のずさんな対応を謝罪した。 事故から1カ月を過ぎたが、韓国社会は多くの点で大きな影響を受けたままだ。 「今回の事故にきちんと対処できなかった最終的な責任は、大統領である私にある」 5月19日午前9時、青瓦台(大統領府)で対国民談話を発表した朴槿恵大統領は、こう切り出すと、深々と頭を下げた。主要テレビ局が生中継したこの会見には、大統領として政府の責任に一つのけじめをつけようという思いが込められていた。 声を詰まらせ、涙を流した「鉄の女」 24分間の談話発表の最後に、自分が犠牲になって他の乗客を助けようとした高校生などの名前を挙げた際には声を詰まらせ、ほほに涙が伝って流れた。 「鉄の女」として常に冷静沈着な朴槿恵大統領がこれまでに見せたことのなかった姿だった