タグ

ブックマーク / ides.hatenablog.com (14)

  • サバン症候群について - 井出草平の研究ノート

    仁平義明・神尾陽子,2007, 「自閉症者の「並外れた才能」再考 (特集:自閉症の認知研究の現在)」 『心理学評論』 50(1), 78-88 を帽子とまちがえた男 (サックス・コレクション) 作者: オリバーサックス,高見幸郎,金沢泰子出版社/メーカー: 晶文社発売日: 1992/01/30メディア: 単行購入: 3人 クリック: 47回この商品を含むブログ (44件) を見る このでは自閉症者は特定の認知能力は定型発達者と比べて並外れて優れていることが紹介されている。自閉症者の特異的な能力のことを「サバン症候群」と呼ぶことがあり、このの影響もあり、一般的に広く信じられている。しかし、明確になっていない部分も多いため、サバン症候群について再考したのが、仁平・神尾の論文である。 1.絶対音感について 絶対音感(absolute pitch:AP)について。自閉症者には絶対音感を持つ

    サバン症候群について - 井出草平の研究ノート
  • 江戸時代の識字率 - 井出草平の研究ノート

    江戸の教育力 近代日の知的基盤 作者: 大石学,東京学芸大学出版会編集委員会,(表紙デザイン)正木賢一出版社/メーカー: 東京学芸大学出版会発売日: 2007/03/30メディア: 単行(ソフトカバー) クリック: 6回この商品を含むブログ (3件) を見る ここから識字率についてまとめたものをクリップ。 一方、識字率について見ると、高橋敏「村の識字と『民主主義』」は、駿河国駿東郡御宿村(静岡県裾野市)の安政三年(一八五六)二月と同四年正月の付役人選挙においで、名主51枚、百姓代44枚の入札の筆跡がすべて異なることから自筆とし、識字率は一〇〇パーセント近いとしている。 前沢哲「幕末・維新期における民衆の文字習得について」は、明治五年河内国(大阪府)志紀郡内15か村の入札から、村により一〇〇パーセントから六一パーセントまでの差がありつつも、全体の識字率は約八〇パーセントとしている。 高尾

    江戸時代の識字率 - 井出草平の研究ノート
    hengsu
    hengsu 2010/01/20
  • ロストジェネレーションは計量的に支持されない - 井出草平の研究ノート

    ロストジェネレーションというのは1973〜1982年生まれの世代のことを指す*1。景気の悪かった、いわゆる「失われた十年」に就職をしなければならなかった世代である。彼らは不景気により、正規雇用を得ることができず、割をったということである。2005年に景気回復があり、これ以降の世代は就職状況が良かったという認識から、狭間の世代がロストジェネレーション(ロスジェネ)と呼ばれている。 ロスジェネのうち先頭の1973年生まれの人は高卒で1992年、短大卒で1994年、大卒で1996年に就職している。一番後ろの1982年生まれの人は高卒で2001年、短大卒で2003年、大卒で2005年(就活は2004年)に就職した人である。 Wikipediaにはこのような解説がある。 この氷河期世代には、安定した職に就けず、派遣労働やフリーターといった社会保険の無い不安定労働者(プレカリアート)である者が非常に

    ロストジェネレーションは計量的に支持されない - 井出草平の研究ノート
    hengsu
    hengsu 2009/09/24
  • アスペルガー症候群の予後は明るいと考えていたアスペルガー - 井出草平の研究ノート

    アスペルガー症候群を発見したアスペルガー自身は当初、この症候群の予後は明るいと考えていた。いろいろな論文で指摘されていることだが、メモとしてその部分を1944年の論文から抜き出し。 自閉症とアスペルガー症候群 作者: ウタ・フリス,冨田真紀出版社/メーカー: 東京書籍発売日: 1996/05メディア: 単行 クリック: 15回この商品を含むブログ (8件) を見る 大半の夥しい数のケースでは、抜群の職業上の成果が期待でき、これにより社会参加が実現します。能力ある自閉症の人々は高い地位に昇り、その人々でなければ成しえぬことがあるとさえ思えるような飛び抜けた成功を収められます。それはまるで、彼らは自分たちの欠陥を穴埋めする補償能力を備えているかのようです。その揺るがぬ決意とシャープな知的才能は、彼らの創意あふれる精神活動には欠くことのできない要素であり、特異な関心事に現れた頑固一徹さには限り

    アスペルガー症候群の予後は明るいと考えていたアスペルガー - 井出草平の研究ノート
    hengsu
    hengsu 2009/09/21
    アスペルガーの方が、冷静に観察して、将来を楽観視してた、のかな。
  • 早期教育を受けた子はAD/HDや発達障害になる? - 井出草平の研究ノート

    「パパ、ママたちへの警鐘 早期教育で病んだ子どもたちが増えている」 『週刊朝日』2009年09月18日号 (記者:中釜由起子) http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/asahi-20090909-02/1.htm 『週刊朝日』に元北海道大学教授の澤口俊之氏の発言として以下のようなことが載っていた。 元北海道大学教授で、現在、人間性脳科学研究所所長の澤口俊之氏は言う。 「いちばん重要なのは、脳の発達パターンに合わせるということです。われわれの研究所で、0歳児から追跡調査を続けたところ、早期教育を受けた子は、1歳児でもキレやすく、6歳くらいになると、多動性傾向が非常に強く、注意力散漫であることがわかりました。 今、幼児教室や幼稚園などでなされているIQテスト教育などは、科学的根拠がないものが多い。子どもの脳は未分化で、乳幼児のころに教えたことが脳の

    早期教育を受けた子はAD/HDや発達障害になる? - 井出草平の研究ノート
    hengsu
    hengsu 2009/09/14
    週刊朝日のトンデも記事の紹介。こういう(思い込みと無知)記事が無くなる日は来るのだろうか。
  • 豊田市での広汎性発達障害の疫学調査 - 井出草平の研究ノート

    豊田市で行われた広汎性発達障害の発生率の調査。広汎性発達障害の発生率は1.81%。 この数字はイギリス・サウステムズで行われたBaird et al.(2006)の有病率1.161%よりも大きな値である。しかも後述するように、広汎性発達障害全体ではなく、ほぼ自閉性障害(自閉症)だけでこの値を出していることである。この論文は以前にエントリした河村雄一ほか「豊田市における自閉性障害の発生率」という学会発表を論文にまとめたものである。 Yuichi Kawamura, Osamu Takahashi, Takashi Ishii,2008 Reevaluating the incidence of pervasive developmental disorders: Impact of elevated rates of detection through implementation of a

    豊田市での広汎性発達障害の疫学調査 - 井出草平の研究ノート
    hengsu
    hengsu 2009/08/03
    このデータはどうなんだろう。大分、他と違うように見えるが。
  • 発達障害を持った子どもたちのメンタルヘルスと特別支援教育についての感想 - 井出草平の研究ノート

    『こころの科学』LD・AD/HD特集号から品川裕香の論文。 LD・AD/HDなどの診断を受けた子どもたちのその後について取材をして、特別支援教育への提言を行っている。 リストカット、うつ、不登校、ひきこもりと言ったものの背後に発達障害があるということからはじまる。 品川裕香,2009, 「大人になるまで・大人になってから−−厳しい教育・社会の現状とその打開策−−」 『こころの科学』145号,79-84. AD/HDとアスペルガー症候群と診断された男子のインタビュー。 「僕はね、温室から寒風吹き荒ぶ南極大陸に放り出されたようなものだったんです。中一のときにADHDだのアスペルガー症候群だの言われて、それなりに丁寧な指導を受けてきたけれど、結局、理解してくれる人が誰もいない集団のなかではまったくのダメ人間だった。診断されていたり、診断名に応じた指導を受けたからといって、社会に適応できる力がつい

    発達障害を持った子どもたちのメンタルヘルスと特別支援教育についての感想 - 井出草平の研究ノート
    hengsu
    hengsu 2009/07/28
    気を付けるべきことがよくまとまっている。
  • 「子ども・若者育成支援推進法」の成立 - 井出草平の研究ノート

    少し前の話になるが、「子ども・若者育成支援推進法」という法律が成立している。文面を呼んでもニートひきこもりといったものは出てこないが、岸周平によれば、ニートや引きこもりの若者の支援の基礎的な法律になるようである。 この法律は、ニートや引きこもりの若者の支援体制を整備することが目的です。 http://blog.goo.ne.jp/shu0712/e/8cb58348d3a205d55966c0d9b01f643b 縦割りは良くなくて、真ん中にある協議会であるとか窓口がソーシャルワーク的に適切な機関を紹介して、かつ相互連携を取って行きましょうという図のようである。 子ども・若者育成支援推進法 目次 第一章総則(第一条―第六条) 第二章子ども・若者育成支援施策(第七条―第十四条) 第三章子ども・若者が社会生活を円滑に営むことができるようにするための支援(第十五条―第二十五条) 第四章子ども

    「子ども・若者育成支援推進法」の成立 - 井出草平の研究ノート
    hengsu
    hengsu 2009/07/15
    図入りの全文引用で長い。でも重要。
  • 江戸時代の精神障害 - 井出草平の研究ノート

    精神障害者をどう裁くか (光文社新書) 作者: 岩波明出版社/メーカー: 光文社発売日: 2009/04/17メディア: 新書購入: 3人 クリック: 169回この商品を含むブログ (37件) を見る 筋の記述ではないが江戸時代の精神障害についての記述が面白かった。江戸時代から精神障害(主に統合失調症)による殺傷事件は起きており、有罪か無罪は事情によって異なり、約半々くらいの処置がされていたと言うことである。文脈としては、精神障害者の心神喪失・心神喪失を認める司法というのは、輸入されたものではなく、江戸時代から存在していたというものである。 当時、香川修徳、土田献翼卿などの医学者が精神疾患についての説を展開した。土田による『癲癇狂経験編』は、わが国で最初の精神医学の専門書であると考えられている。 また奉行であった根岸鎮衛が収集した奇妙な小話を集めた『耳袋』には、統合失調症、色情狂など

    hengsu
    hengsu 2009/07/09
    面白い
  • 暴力アスペ - 井出草平の研究ノート

    特別支援教育のための精神・神経医学 (学研のヒューマンケアブックス) 作者: 杉山登志郎,原仁出版社/メーカー: 学習研究社発売日: 2003/05メディア: 単行購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (3件) を見る 杉山登志郎の記述部分から。 高機能の広汎性発達障害の中には暴力的行為を繰り返すグループが一定数いて「暴力アスペ」と密かに呼んでいるそうだ。この言葉を知らず、かつ興味深い表現だったので掲載しておく。 それほど多い割合ではないが、多くの高機能広汎性発達障害の児童と出会ってみて、われわれは、暴力的な噴出を繰り返す児童が存在することに気づいた。全体としては高機能児の5%前後で、そう多いものではない。しかし、このグループの子が一人いれば学級崩壊になってしまうほど、この子たちの起こす問題は深刻であった。 われわれは密かに「暴力アスペ」とニックネームをつけて呼んでいたが、

    暴力アスペ - 井出草平の研究ノート
    hengsu
    hengsu 2009/04/06
    これは
  • 広汎性発達障害や自閉症スペクトラムは増えてはいない - 井出草平の研究ノート

    広汎性発達障害と自閉症スペクトラムについて、世界各地で行われている疫学調査を年次を追う形でグラフ化*1。年を追うごとに、広汎性発達障害が増えている(支援制度が整ったのでどんどん発見されるようになった)ということが言われることがあるので、年次推移とみなしてプロットしてみた。しかし、特に年次を追うごとに増えたり減ったりしていないのではないかと思われる。 対象にした調査 調査 年 場所 調査サンプル(人) 広汎性発達障害の有病率(1万人あたり) Kadesjo et al. 1999 スウェーデン・カルルスタード 826 121 Baird et al. 2000 イギリス・サウスイーストテムズ 16,235 57.9 Chakrabarti et al. 2001 イギリス・スタフォード 15,500 62.6 Fombonne et al. 2001 イングランド・ウェールズ 10,438

    広汎性発達障害や自閉症スペクトラムは増えてはいない - 井出草平の研究ノート
    hengsu
    hengsu 2008/10/12
    『広汎性発達障害や自閉症スペクトラムは増えてはいない』『「自閉症スペクトラム」の調査は値が大きくなり、広汎性発達障害の調査(DSMを使用したもの)は値が小さいということである』
  • 自閉症は左脳、アスペルガー症候群は右脳の障害で連続的なものではない - 井出草平の研究ノート

    自閉症は左脳の機能不全、アスペルガー症候群は右脳の機能不全。神経行動学上では同じ障害ではないと言われているようだ。このことは、自閉症からアスペルガー症候群などへ連続的に障害がつながると考える自閉症スペクトラムの考え方への反証になる。自閉症スペクトラム説は根拠が薄弱という趣旨の事が言われる(たとえばこれ)のも基礎系の研究からの支持が芳しくないということもあるのだろうか。 アスペルガー症候群と非言語性学習障害 作者: キャスリンスチュワート出版社/メーカー: 明石書店発売日: 2004/05/13メディア: 単行購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (4件) を見る いまだにこの分野ではほとんど見解の一致がみられないが、自閉症は左半球の機能不全と考えられ(Dawson et al 1986)、したがって(右脳の機能障害と考えられているアスペルガー症候群とは:訳者注)同じ神経行動

    自閉症は左脳、アスペルガー症候群は右脳の障害で連続的なものではない - 井出草平の研究ノート
    hengsu
    hengsu 2008/09/16
    真っ向から衝突する説か。療育方法とかの場面でも、これらが違う事を如実に示すのだろうか。気になる。
  • 広汎性発達障害やアスペルガー症候群はいつから注目され始めたのか? - 井出草平の研究ノート

    2000年に起こった豊川市主婦刺殺事件(17歳の犯罪。「人を殺してみたかった」と動機を述べた事件)を切っ掛けに、アスペルガー症候群という概念が広まったとされている。時期としては2000年に入ってからのことである。このことをグラフで示してみた。 具体的には、学術論文、書籍、新聞記事に現れる広汎性発達障害の数を数えてみた。キーワードは「広汎性発達障害」「アスペルガー症候群」「アスペルガー障害」*1で、いずれかを含むもの件数である。学会用の資料につくったグラフで、もったいないので、こちらにも貼ってみた。 まずは、学術論文数の推移。CiNiiの年ごとの検索結果数をグラフにしてある。 次に出版書籍数の推移。国立国会図書館NDL-OPACの検索結果。 最後に新聞記事数の推移。聞蔵IIビジュアルによる検索結果。 学術論文が少し早い挙動を見せているものの、だいたい2000年か2001年くらいにグラフが伸

    hengsu
    hengsu 2008/05/23
  • 2008-04-13

    J Bertrand, A Mars, C Boyle, F Bove, M Yeargin Prevalence of Autism in a United States Population: The Brick Township, New Jersey, Investigation Pediatrics, 2001 - Am Acad Pediatrics http://pediatrics.aappublications.org/cgi/content/abstract/108/5/1155 アメリカニュージャージー州ブリック・タウンシップの自閉症スペクトラムの疫学調査。対象年齢は3〜10歳で、調査は1998年に行われている。自閉症スペクトラムの有病率は6.7人(千人あたり)。区間推定値は5.1〜8.7人(千人あたり・信頼区間95%)。割合にして、0.67%である。自閉性障害(小児

    2008-04-13
    hengsu
    hengsu 2008/04/16
    アメリカニュージャージー州の自閉症スペクトラムの疫学調査
  • 1