エボラ出血熱編1 「原点」を知る専門家に聞く エボラ出血熱の原因となるエボラウイルスは1976年、アフリカ中部の旧ザイール(現コンゴ民主共和国)などで初めて確認された。ウイルス発見者の一人であるロンドン大学衛生熱帯医学大学院学長のピーター・ピオット(68)は当時現地に入り、調査にあたった。ピオットと入れ替わりで現地入りしたのが、米国疾病対策センター(CDC)に当時勤務し、昨年のジカウイルス感染症(ジカ熱)専門家緊急委員会を指揮したデイビッド・ヘイマン(71)だった。当時を知る2人に話を聞いた。(構成・小川裕介、敬称略) 米国アトランタにあるCDCの博物館に展示されているエボラウイルスの電子顕微鏡写真パネル photo: Ogawa Yusuke ●ピーター・ピオット(68) 76年当時、最大の難問は、どうやってエボラウイルスに感染するのかがわからないということだった。蚊や飲料水、性行為、血