人工知能(AI)がもっともらしい文章を書き、瞬く間に拡散する現代。情報の真偽を見抜くすべは-。専門のフランス文学・思想の枠を超え、自分で考える力を育む教養の大切さを訴えてきた東大名誉教授の石井洋二郎さん(73)は「人間の尊厳は考えることのうちにある」と説く。近著『教養の鍛錬 日本の名著を読みなおす』を出版した集英社新書編集部の会議室で話を聞いた。
大学図鑑!2025 選ばれ続けて26年目! 現役生・OB・OGら5000人超のナマの声でつくった真の大学案内! 入学案内、パンフ、HPのウソにだまされない! オープンキャンパスの下準備にも使える! 受験生必読! 超リアル! 新方式から学科の特徴まで、基本情報もこれ1冊でわかる! バックナンバー一覧 25年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内『大学図鑑!』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は他の大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である『大学図鑑!2025』の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする。(本記事は2023年12月時点に執筆した『大学図鑑!2025』をもとにしています)
国際基督教大学(ICU、東京都三鷹市)と東京⼥⼦⼤学(同杉並区)は26日、互いの教育・研究資源を活用し、有為な人材の育成・教育の充実に寄与することを目的とした包括協定を締結した。今後は、1)学生・教職員の相互交流、2)教育・研究に関する学術交流・情報交換、3)グローバル化の推進――において包括的な連携を深めていくという。 両大は共に、キリスト教精神に基づくリベラルアーツ教育を特徴としている。また、2022年に就任した東京女子大学の森本あんり学長は、ICUの卒業生であるほか、ICUでは准教授や教授として25年にわたって教鞭を執り、大学牧師や副学長を歴任。現在は名誉教授の立場にある。 ICUは1953年の建学時から、国際的社会人としての教養をもって神と人とに奉仕する有為の人材を育成するため、日英バイリンガルのリベラルアーツ教育を70年余り実践している。2008年にはメジャー(専攻)制を導入。文
大学の名前は、 Cyprus Mines Corporation(キプロス鉱山公社)の初期投資家の一人であるHarvey Seeley Muddにちなんで付けられた。彼は教育機関の新設計画に関与していたが、ハーベイ・マッド大学の開校前に亡くなった。そのため、彼の友人や家族が出資し、彼の名を冠した大学となった[7]。 1955年に設立されたが、[8],[9] 1957年に授業が開始され、48人の学生と1つの建物(寮)であるMildred E. Mudd Hallが設立された。授業と食事はCMCで行われ、研究室は追加の建物が建設されるまでバクスター・サイエンス・ビルディングで行われた。Jacobs Science Building(1959年)、Thomas-Garett Hall(1961年)、Platt Campus Center(1963年)と追加の建物ができるまでは、Baxter Sc
東大教養学部は前身の旧制第一高等学校(旧制一高)が戦後に改組され、誕生した。旧制一高を含む旧制高校でのリベラル・アーツ教育はいかなるものであったか。そして、現在の東大、日本の大学の課題とは何か。大学論に関する著作を多く持つ吉見俊哉教授(東大大学院情報学環)に聞いた。 (取材・桑原秀彰) 行き場失った旧制高校 「本郷にある学部の英語名称は『ファカルティ』(Faculty of Law、Faculty of Engineeringなど)ですが、駒場の教養学部は唯一『カレッジ』(College of Arts and Sciences)となっています。この『カレッジ』と『ファカルティ』の違いを理解することが教養学部と旧制一高の歩みを知るために重要です」と大学論に詳しい吉見教授は語る。 「カレッジ」と「ファカルティ」を理解するためには、まず戦前の高等教育を知る必要がある。戦前に高等教育を担っていた
東大の現在地を足元から描き出す本連載。前編では主に現在東大の抱える課題について検証した。今回の後編では、米国型リベラルアーツ教育の伝統を持ちその教育力が高く評価されている国際基督教大学(ICU)と、教育改革に関して長年提言し、自身もかつて改革に携わった吉見俊哉教授(情報学環)の取材も踏まえ、さらなる課題の追求とともに、どうすれば学びを深化させうるのか、東大の教養教育で目指すべきものは何かについて考える。 (取材:原田怜於) 前期課程の両面性 東大に特徴的な制度である進学選択制度。前期課程と後期課程の接続が必要な東大に独自のこの制度は学生の学びのあり方にどのような影響を及ぼすのか。 「東大のカリキュラムは、前期課程では幅広く教養を学び、後期課程では専門分野を究める内容になっている」と話すのは松木則夫理事・副学長(教育担当)だ。東大のポリシーとしてもこの主張は掲げられている(表1)が、前期課程
大学の機能の中枢を占める教育だが、東大の教育への評価は必ずしも高くない。THE世界大学ランキング日本版2019では、所属学生や高校教員からの教育への期待の実現度を示す教育充実度で東大は国内11位。世界版では教育分野13位(国内首位)を獲得したのと対照的な結果となった。何が問題とされたのか。本記事では前期教養課程に焦点を当て、現在の在り方を検証するとともに将来の教育水準向上の方途を模索する。� (取材・原田怜於) 図はTHE世界ランキング世界版・日本版公式ウェブサイトより東京大学新聞社が作成 「教員と学生の交流やグループワークの不足が結果に反映されているのではないか」。そう話すのは、教育効果の調査が専門の椿本弥生特任准教授(教育学部付属教養教育高度化機構)だ。例えば大人数での一方通行(講義)型授業では学生は質問しづらく、心理的な距離から授業外での教員との交流も生まれにくい。 「少人数の双方向
応用国際教養教育(AILA) Applied International Liberal Arts:AILA®が目指すもの 教養が意味するもの 専門を持つことの強みは、特定の分野に深い理解や優れた技能を有することです。しかし、私たちが現実社会で直面する問題は複雑で、特定の分野の視点だけでは解決し得ないものがほとんどです。例えば、ある企業で地球温暖化対策として商品包装の簡素化を進めることになったとしたら、どのような視点が必要でしょうか。まず、代替包装に使用する材料や梱包方法が、地球温暖化の原因となる排出二酸化炭素削減に寄与しうるかどうかを検証しなければなりません。また、簡素化しても商品が破損しないような強度を保つための方策も必要です。さらに、この取り組みが、単なる経費節減と捉えられてしまえば、企業のイメージダウンにつながりかねないため、適切な広報戦略を練ることも必要です。そして、方法を変更す
東大に入学した学生は1、2年生の間、教養学部前期課程に所属した上で、進学選択を経ておのおの専門の学部や学科などに進む。前期教養課程でのリベラルアーツ教育を謳う東大だが、リベラルアーツ教育は目的通りに機能しているのか。駒場での2年間を最大限に生かすにはどうすればいいのか。現・元東大生や、学生時代東大生の授業態度に問題意識を持ち「面白い授業紹介冊子」を発行したジャーナリストの中野円佳さんに話を聞いた。 (取材・米原有里) 教養教育が抱える課題 国内のほとんどの大学では入学試験出願時に学部や学科を決める必要がある中、前期教養課程・進学選択制度は東大の特色の一つといえる。実際、2018年の学生生活実態調査報告書によると「入学後に学部の選択が可能だから」を東大の志望理由として選んだ学生は全体の44.1%にも上る。東大もレイトスペシャライゼーション(遅い専門化)を教育方針に掲げ「広い視野と総合的な基礎
皆が口にする「イノベーション」、でもそれって何だろう? 現在の「イノベーション政策3.0」って何? そしてリベラルアーツとイノベーションの関係は? 科学史家として第一線でご活躍の、名古屋大学大学院経済研究科 隠岐さや香教授が分かりやすくお話しします。 ぜひ、ご参加ください。 日時:2020年2月13日(木)14:40~16:10 場所:A1棟-101 対象:学生および教職員(申込み不要)
「リベラルな大卒層」という期待 今年4月、東京大学入学式での、上野千鶴子氏の祝辞が話題を呼んだ。 あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。*1 大学を卒業している人々=大卒層が、就職や賃金など、さまざまなライフチャンスにおいて有利であることは、これまで多くのデータによって示されてきた*2。しかし、最近も話題になったように、大学進学の機会は必ずしも万人に平等に開かれているわけではない。生まれた地域や家庭環境など、学歴獲得レースの「スタートライン」には違いがある。 だからこそ、大卒層が、自分自身の関わったアンフェアなレースとその結果からなる格差社会にまで、関心や視野を広げるとするならば、それは望ましいことだといえるだろう。 こうした視野の広さ
今年5月に発足した、東京大学芸術創造連携研究機構(ACUT)。今回はその活動について、副機構長である岡田猛教授(教育学研究科)に取材するとともに、日本では珍しく総合大学で芸術を研究している慶應義塾大学アート・センター、実際にACUTの授業を受けた学生に話を聞いた。 �(取材・原田怜於) ACUTはArt Center,The University of,Tokyoの略で、東大初の芸術を扱う総合プラットフォームとなる。現在は芸術家や芸術大学の教員を招いた実技授業の他、シンポジウムや講演会が活動の中心だ。 ACUTは総合文化研究科を基幹部局として、これまでに芸術に関する取り組みを行ってきた7部局が連携する形を取る(図1)。教育学研究科や総合文化研究科の有志教員らの働き掛けにより創設に至った。 現在は、総合文化研究科の経費や財団からの助成金が主な活動源。今後は予算の拡充とともに、創作活動支援と研
新しい時代の教養教育の担い手にとどまらず、さまざまな研究でも最先端を走る駒場。知の現在を紹介すると同時に、変革し続ける教養学部の全容を伝える。総勢44名の研究者、さらにノーベル生理学・医学賞受賞者の大隅良典、元外務大臣の川口順子、芥川賞作家の円城塔と小野正嗣、批評家の東浩紀などの駒場が輩出した人々が贈る“紙上オープンキャンパス&ホームカミングデイ”。東京大学教養学部創立70周年記念出版。 ☆本書の内容を紹介する特設サイトができました。こちらからご覧ください。 →/special/komabastyle/ ☆2019年7月7日に東京大学教養学部創立70周年記念イベント「学際知の俯瞰力――東京大学駒場スタイル」が開催されました。イベント詳細はこちらをご覧ください。 →http://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/70/index.html はじめに――学際知の俯瞰力(石田 淳
実社会の要請に応えて、いま日本の大学が変わりつつある。「リベラルアーツ」を教育の柱に据える学部が次々に誕生している。立命館大学では、オーストラリア国立大学と共同学士課程を設けた「グローバル教養学部」を4月に発足させる。こうした大学の新しい潮流について、立命館大学の金山勉・新学部長に聞いた。 金山 勉 KANAYAMA Tsutomu 立命館大学グローバル教養学部教授、2019年4月の学部設立で初代学部長就任。同大学とオーストラリア国立大学の共同学士課程「ダブル・ディグリー」実現に向け5年間の交渉を経て、日豪の大学教育史上初の包括学部連携システムを組み込んだグローバル教養学部を発足させた。専攻はメディアコミュニケーション。フルブライト客員研究員として、9.11テロ後の米国の放送政策について研究。 真の「教養」とは何か 編集部 いま、歴史や哲学などの「教養」を身に着けるための書籍やテレビ番組が
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