新型コロナウイルスによる混乱の中、医療だけでなく経済における対策も肝要となる。日本政府は経済対策を講じているものの、国民の不満の声も少なくなく、SNSではさまざまな意見が飛び交っている。経済を専門にする東大教員はこれまでの経済政策をどう評価するか、またアフターコロナの日本経済をどのように推測するのか取材した。 (取材・本多史) 経済対策、脆弱な労働者へ 日本政府は新型コロナウイルスによる経済的な被害を最小限に抑えるため、現金給付や企業の資金繰り支援策などを講じている。 政府は当初、所得減世帯への30万円の現金給付を考えていたが、所得制限を撤廃し一律10万円の現金給付に方針を変更した。所得減世帯への給付の方が必要な人にお金が行き渡る政策だが、一方で、給付世帯の選別による給付の遅れと虚偽申告による正確性の問題がある。 渡辺努教授(東大大学院経済学研究科)は一律現金給付の場合、何らかの形で差をつ