新型コロナウイルスの感染拡大により休校が続いたことを受け、9月入学(秋入学)への移行に関わる議論が現役高校生の提案や萩生田光一文部科学大臣による言及などで盛り上がった。東大では濱田純一前総長(以下、濱田氏)が在任中(2009~15年)に秋入学構想を発表し一時的に議論の的となったが、現在は見送りの状態にある。今回はその経緯や論点について、本紙が過去に行った取材や東大公表の資料などを基に整理する。新型コロナウイルスを受けた秋入学移行の是非の判断材料となるだろうか。 (構成・村松光太朗) ※学外の反応に関するアンケート調査はNHK、私立大学連盟、リクルート進学総研、大学新聞社、HR総合調査研究所、Benesseにより行われたものを引用。 現行入試日程維持の秋入学構想 背景・構想の流れ 「タフでグローバルな東大生」という文句に表現される通り、濱田氏は09年の就任当初から学生の主体的な学びの推進と大
