【発表のポイント】 企業業績を左右する戦略的行動は、どのような経営課題に注意(アテンション)を置くかという企業の認知構造に大きく影響を受けることが知られています。本研究は、「アテンションの独自性(注意力配分のパターンの競合他社との乖離)」というコンセプトを提唱し、「構造トピックモデル」という機械学習の手法を使って有価証券報告書を分析し、競合と比較した際のその企業の「アテンションの独自性」を定量化しました。 データ分析の結果、企業の経営課題に関わるアテンションの独自性が高すぎない場合に、戦略的な成長行動を促し、最も財務パフォーマンスが高い水準となる傾向がみられました。 さらに、アテンションの独自性による財務パフォーマンスへの影響は、その企業が置かれている市場の成長が限られる場合、より顕著となることがわかりました。つまり、成熟市場や飽和市場ほどアテンションの独自性が重要となることが示唆されます
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