「どこが?」と奇異に思う人も多いだろう。古墳は古代の人の墓だ。しかし、かぎ穴のような「前方後円墳」の形を見ていると、丸い部分が頭、方形の部分が体の、二頭身キャラクターのようにも見えてくる。 近年、各地の博物館や史跡公園のショップに古墳の付箋(ふせん)やメモ帳、テープなどが並ぶようになった。「でも、ほんの5年ほど前までは、埴輪(はにわ)グッズは人気なのに、古墳グッズはほとんどありませんでした」。古墳をカジュアルに楽しむ団体「古墳にコーフン協会」会長の歌手、まりこふんさんはそう振り返る。 その古墳グッズの先駆けになったのが、前方後円墳形の「古墳クッション」だ。2013年春から、奈良市でイスの修理工房「宇宙椅子(いす)」を営む福徳有男(くにお)さん(56)が製作し、これまでに計約3千個を出荷した。 福徳さんは、古墳とは無縁のサラリーマンだった。早期退職してイスの修理を学び、12年、京都府木津川市