(CNN) 清朝最後の皇帝、愛新覚羅溥儀(あいしんかくらふぎ)がかつて所有した腕時計がこのほど香港でオークションにかけられ、620万ドル(約8億5800万円)で落札された。 高値が付いた一因は腕時計自体の希少性にある。出品されたのはスイスの高級時計メーカー、パテック・フィリップの手掛けた 「Reference 96 Quantieme Lune」と呼ばれるモデルで、世界にわずかか8個しか存在しないとみられているものの一つ。しかし競売を担当したフィリップスによると、高額の落札価格は製造から86年が経過するこの時計のたどってきた驚くべき歴史にも由来する。一時はシベリアに持ち込まれたこともあった。溥儀がソ連国内で5年間の捕虜生活を送っていた時期だ。 直径約3センチのこの時計は、アラビア数字を記した文字盤にピンクゴールドの針を使用。表面上部に空いた「月相」の小窓からは、その時々で地球から見える月の