今日は将棋プログラムの探索について少し書いてます。将棋プログラムは探索と評価という両輪が補完しあって動いています。探索というのは人間でいう読みと同じような操作です。また評価は人間でいう形勢判断に近いものです。少しくらい評価にダメな部分があっても、探索によって補うことが可能ですし、逆もまた然りです。 探索の一つのテクニックにNull Move Pruningというのがあります。Nullの意味は「からっぽ」で、Moveは「指し手」、Pruningは「枝刈り」です。日本語に無理やり訳すと「からっぽの指し手の枝刈り」くらいでしょうか。からっぽの指し手の意味することはパスをするという意味です。パスをすることと枝刈りはどんな関係があるんでしょうか? 具体的な局面を持ちだして考えてみましょう。第1図は有名な局面です。評価値としては、どれくらいが適正か難しいですが、Ponanzaは先手が+50点くらいと言