「鉛筆は2BかHBを使いましょう」って言われてた小学生のころ、文房具屋で見つけた『F』の鉛筆に、かなりテンションが上がった記憶がある。Fって何だよ! と。 新しい鉛筆が出たのか!? と。さっそく親に言って、その謎めいた鉛筆を買ってもらった。 ところが使ってみると、これがなんとも普通。濃さも書き心地もHBとそんなに変わらないし、高級感があるわけでもない。テンションは一気に下がり、一度使っただけで、その後「F」が鉛筆立てから出ることはなかった。 大人になってから、記号の意味を知った。『B』はBLACK(黒い)、『H』はHARD(硬い)、そして『F』はFIRM(引き締まった)。Fは最新のもんじゃなく、昔からあるHとHBの間の濃さの鉛筆だった。 ただ、疑問は残った。どうして意味ありげに、Fなんていう別格っぽい記号がつけられてるのか。BとHだけで片付く話じゃないんだろか、と。 疑問を解決すべく、日本