帰途に就いていた南極観測船「しらせ」が16日午前7時40分(日本時間午後1時40分)ごろ、南極海で座礁し、動けなくなった。しらせが座礁したのは60年近い日本の南極観測史上初めて。 国立極地研究所によると、しらせは南緯67度39分、東経45度49分、無人のロシアのマラジョージナヤ基地沖約700メートルで船底が暗礁に接触し、航行不能になった。船底が壊れて浸水しているが、二重になっているため内側の方に損傷はない。今のところ、観測隊員や乗組員にけがはなく、燃料流失もないという。 水中カメラで船底を調べ、17日午前7~9時(同午後1~3時)の満潮時に離礁を試みたがうまくいかず、次に満潮となる17日夜(日本時間18日未明)に再び離礁を試みる。 しらせは2月12日に54次越冬隊と55次夏隊を収容し終わり、氷海を離れて帰路へついた。現在の海域に流氷は広がっているが、氷に閉じ込められる危険は今のところはない