『八九六四』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した気鋭のノンフィクションライター・安田峰俊が、アフリカ大陸に進出する中国の実態を調査しに、「アフリカのシンガポール」と呼ばれるルワンダへと渡るルポルタージュ。第二回目は、ルワンダで巨大な縫製工場を経営する中国人女性社長の話から、なぜ中国がルワンダへの進出に注力するのか、その狙いと歴史的背景を読み解く――。 CEOは44歳、中国人女社長 体育館ほどの広さの工場のなかでは、黒い肌の若者たちがぎっしりを机を並べていた。彼らの多くは20〜25歳で、女性が65%を占める。女性たちは頭髪の混入防止用の黄色い頭巾をかぶっているが、男性は短髪やスキンヘッドの人しかいないためか、頭巾は無しだ。私の目の前の生産ラインで彼らが縫い続けている黄色い蛍光色の布は、鉱山労働者の制服らしい。 ルワンダの首都・キガリ市中心部から郊外へ5キロ、キガリ国際空港付近に位置するこの
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