ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492313656/ [総評] とてもよい本だと思います(内容は経済学というよりも応用統計学と呼ぶ方が適切かもしれません)。日常的な疑問が慎重なデータ分析によって意外な結論に至る過程を楽しむことができます。 すでに多くの方がレビューしておられて、そこでも非常に好評なので少しひねくれて批判してみたいと思います。 コメント:アメリカでは妊娠中絶合法化が犯罪を激減させたのか? [ドノヒュー・レヴィット説の要約] アメリカでは1973年に妊娠中絶が合法化された(それ以前は基本的には違法)。それによって経済的に恵まれない女性(多くは貧しい未婚の未成年)の妊娠中絶が可能になった結果、経済的に恵まれない環境の青少年が(生まれる確率が)激減した。それらの青少年は犯罪に走ること
マルクスの使いみち 作者: 稲葉振一郎,松尾匡,吉原直毅出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2006/03/11メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 40回この商品を含むブログ (50件) を見る なんか、不遜なタイトルですみません。この本は既に多くの人があちこちで感想を書いているようだけども、とりあえず自分なりの関心にひきつけて読み、今まで断片的だった知識を整理する意味で「使え」そうだ、という意味をこめてみました。 さて、個人的にはやはり二章の搾取をめぐる議論のところが面白かった。吉原氏自身による解説における以下の箇所が両者の立場についての簡潔な説明になっていると思う。 http://www.ier.hit-u.ac.jp/~yosihara/usagemarx.htm 生産的資産の乏しい個人はそれが豊かな個人に比して交渉力が弱くなる可能性がある、まさに労働者と資本家の関係のよう
[思ったよりも長い要約] 岩田・飯田「ゼミナール経済政策入門」は3360円(税込み価格)で経済学の予備知識なしに経済政策全般について学べる非常にお得な本である。 第1章で経済学の基礎を学び、市場への政府の介入などのミクロ経済政策を学び、その後で財政政策や金融政策などのマクロ経済政策を学び、最後に税や年金などの近年非常に世間の関心が高い所得配分政策を学ぶ。 説明は「経済学の原理」→「政策の記述/分析」→「現代日本における課題」という流れで一貫しており、読者の理解に配慮されている。数式はほとんど登場せず、多くの場合、内容は言葉と図だけで説明されている。 また、現時点では解決していない問題に関しては「分からない」とはっきり記述してあり、著者らの研究者のとしての誠実さが現れている。 経済政策について興味があるが、まだ経済学を学んだことがない人にとっては良い入門となると考える。 [無駄に長い推薦文]
もう4月ですか。早いなあ。 今日はせっかくの花見日和だというのに朝から仕事でした。明日は雨だし、今年もまともに花見できないのかと思うとちょっと憂鬱。あーあ。 ということで気を取り直して最近読んだ本をご紹介。最近は教科書ばかり読んでいて、結果として何故かフィクションものの読書量が増えたりしてるわけですが【矛盾しとるわsvnseeds】、とりあえず(順番前後しますが)昨日読み終えた本を。 グリーンスパン回顧録 作者: アラン・グリーンスパン, 山形浩生 出版社/メーカー: ダイヤモンド社 発売日: 2006/04/01 メディア: 単行本 激しくおすすめ。偶然本屋で見かけて購入。色々噂はあったのだけどもう出ているとは全然知らなかった。しかも山形訳!! 600ページを超える大著だけれどもあっという間に読了しました。いやーこれは面白い!個人的な今年のベスト5に入ること間違いないです。難解な言い回し
というわけで昨日のエントリで予告したようにこちらで目に付いた関連本をとりあえず並べてみます。 World Development Report 2006: Equity And Development 作者: World Bank出版社/メーカー: World Bank発売日: 2005/09/16メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (2件) を見る昨日のエントリ参照。経済発展と分配の問題に関してしばらくはこれが基本文献になりそう。 The End of Poverty: Economic Possibilities for Our Time 作者: Jeffrey D. Sachs,Bono出版社/メーカー: Penguin Books発売日: 2006/02/28メディア: ペーパーバック購入: 8人 クリック: 11回この商品を含むブログ (8件) を見る ボノが序文を書
現在(2005年8月上旬)、日本は総選挙態勢に突入した。例によって小泉首相の「二元論的ポピュリズム」作戦が当面は功を奏しているようであり、彼と彼の取り巻く政治家や官僚たちへの支持は高い。この二元論とはもちろん「改革勢力」vs「抵抗勢力」、あるいは今回は「郵政民営化」vs「郵政国有化」の対立として政権・与党の大半そしてメディアで喧伝されている構図のことを意味している。もちろん小泉政権の実態が本当に改革的であったり、または民営化志向かどうかはよくよく検討しなくてはいけないことだろう。現政権の郵政民営化についての批判はすでに書いたのでここでは繰り返さない。今回は、この「二元論的ポピュリズム」によって見失われた「第3の道」について、その代表的な文献であり、一時期日本でも熱烈に支持されたジョセフ・E・スティグリッツのふたつの著作『世界を不幸にしたグローバリズムの正体』(徳間書店)と『人間が幸福になる
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