・著者は韓国の歴史学者(左派?)。 ・批判の対象となっているのは韓国の歴史学者・安秉直と、安といくつかの共同研究を行っている日本の歴史学者・中村哲である。一部それ以外の批判もあるがメインは安・中村批判だ。 (安と中村の共著として「朝鮮近代の歴史像」(1988年、日本評論社)、「近代朝鮮工業化の研究」(1993年、日本評論社)がある) ・著者によれば、安はニューライト財団理事長、ハンナラ党(現・政権与党)付属研究所理事長である。李明博大統領のブレーンの一人と言われ、韓国右派(いわゆるニューライト)を代表するイデオローグだという。つまり、安の言行への賛否はともかく、彼は単なる歴史学者ではなく、明らかに政治活動家として動いていると言うことである。 ・著者は、安の「植民地期朝鮮経済」についての認識について、「植民地化の正当化」「藤岡信勝ら『つくる会』グループと何が違うのか」として厳しく非難している