初代の生産終了から10年あまりの時を経て、ようやく現実のものとなった新型「NSX」。ホンダ渾身(こんしん)のハイブリッド・スーパースポーツの走りと、それを支える技術的ハイライトについて詳しく報告する。 米国工場製ではあるが 量産市販車として初のオールアルミボディーにV6エンジンをミドシップした初代ホンダNSXは、堂々と胸を張ってスポーツカーと言える数少ない日本車だった。量産といっても生産台数は15年間におよそ1万8000台、この種のスポーツカーとしては決して少なくない数字だと思うが、ホンダの期待値はもっと高かったようだ。リーマンショックや東日本大震災など紆余(うよ)曲折を乗り越えてNSXを復活させるからには、長く継続できるよう環境を整えるのは当然であり、発売直後から急速な円高に苦しんだ初代NSXの轍(てつ)を踏まないよう、最大市場である米国で生産する道を選んだことも理解できる。だがそれでも