再生可能エネルギーの普及が広がる中、太陽光の発電量が増す一方で電気の使用量が減少する春は電力の需給調整が難しい季節となった。その際、需給バランスの調整役として揚水発電所の役割が増している。余剰電力で水をくみ上げることで「巨大な蓄電池」の役割を果たしており、九州電力管内では3カ所8基が稼働。九電はこのうち佐賀県唐津市の天山発電所を報道関係者に公開。運転回数は約10年前の5倍近くに増えており、九電は設備点検に力を入れている。 佐賀県のほぼ中央に位置する天山の地下には、12階建てビルに相当する天山発電所があり、標高760メートルの天山ダムから地下約500メートルにある発電電動機に水を流して発電する。電気をあまり使わない夜間や太陽光発電の稼働が多い時間帯に水をくみ上げてダムに戻し、再び発電に使用する。 地下にある九州電力天山発電所 施設公開は定期点検に伴う稼働停止時に行われ、水量を調節する弁の周辺