環境省のレッドリストで近い将来、野生での絶滅の危険性が高い「絶滅危惧ⅠB類」に分類されているコイ科の淡水魚「ツチフキ」が昨年、28年ぶりに大阪府の淀川で見つかったと、滋賀県立琵琶湖博物館と大阪府立環境農林水産総合研究所がこのほど発表した。博物館の学芸員、川瀬成吾さんは「長年探していた。とても驚いた」と話した。 ツチフキは体長4~8センチで、流れが穏やかな泥の底に生息する。国内では近畿と山陽地方、九州北部の水域に分布。餌を食べるとき、泥ごと口に入れてえらから泥を吐き出すため「土吹き」との名前がついたとされる。 川瀬さんによると、昨年6~9月に博物館と研究所などが共同で実施した淀川の調査で大阪府守口市で5匹、高槻市で1匹を採集した。いずれも5センチ程度の成魚だった。 淀川のツチフキは1980年代から減り始め、最後に確認されたのは平成6年。大規模な河川改修やブルーギルといった外来魚の増加で激減し