二酸化炭素の25倍の温室効果があるメタン。日本のメタン排出量の27パーセントは家畜の「ゲップ」とされ、その大部分は牛によるものだ。牛1頭あたり1日に放出されるゲップは300から600リットル。世界中の牛のゲップに含まれるメタンは、二酸化炭素に換算すると温室効果ガス全排出量の4パーセントにのぼるという。 そこで農林水産庁は、メタンを削減する飼料添加物の評価基準を策定して飼料メーカーに開発を促している。早ければ2024年から農水省指定の添加物の販売を見込んでいるが、その対象は抗菌性物質製剤。つまり薬だ。そのため安全性や効果の審査が厳しく行われている。 それに対して「カギケノリ」という海藻が注目されている。もともと天然の食材なので、環境負荷も危険性も低い。オーストラリアでは、カギケノリを0.2パーセント餌に混ぜるだけで牛のゲップのメタンを98パーセントまで減らすことができたという報告がある。ニュ