京都精華大学の新学長ウスビ・サコ氏。2018年4月1日撮影 (Kosuke Okahara/The New York Times) 桜咲く、うららかな日曜日。丘の上にある京都精華大学のキャンパスでは入学式が行われていた。就任したばかりの学長が新入生たちにこう語りかけた。 「あなた方は生まれ育った家を巣立ちました。でもここもまた、あなた方の家なのです」 このメッセージをマリ共和国の言葉であるバマナンカン語で伝えることで、ウスビ・サコ学長(51)は誰の目にも明らかな事実に触れたのだった。黒人の彼は、均質的な日本社会では目立つ存在だ。 おそらく日本の大学では初のアフリカ生まれの学長だと思われるサコ博士は、流暢な日本語でスピーチを続けた。多様性と国際性を重んじる京都精華大学の校風に触れ、学生には自分の個性を理解してほしいと語った。 昔に比べ外国人は増えてはいるものの…… サコ博士は日本に移り住んで
日本のシンガーソングライター、遠藤賢司は学生時代に初めてボブ・ディランの「ライク・ア・ローリング・ストーン」を聴いて、大きな違和感を感じたという。ポップ歌手のはずなのに何なんだ、この声は? だが3回目に聴いた頃には、心底からその新しさに打ちのめされていた。 先日スカイプ・インタビューに応じてくれた遠藤氏は、そう当時を振り返った。歌詞については「何を歌っているのか、さっぱり分からなかった」と言う。 彼の経験はある意味で、1960年代の典型的な音楽体験だといえるだろう。そしてまた、日本のポピュラー音楽にとって極めて重要な時代を理解する上で、カギとなるエピソードでもある。 欧米のマニアの間で注目高まる日本のフォーク/ロック遠藤賢司氏(10月25日に死去)。手のWサインは、かつて曲/アルバム名にも使ったフレーズ「ワッショイ」にちなんで。2017年9月9日撮影 (Hiroyuki Ito/The N
信仰ゆえ現代テクノロジーを拒むアーミッシュ(※)の人びとの生活が変わりつつある。 共同体の解体を招くという考えから、自動車は禁止されている。(Ashley Gilbertson/The New York Times)家に電気を引かず、自動車の代わりに馬車で移動する彼らの社会でも、仕事ではコンピュータなどのデジタル機器や電化製品の使用が認められている。スマートフォンを手にする人も増えてきた。 公道を走る馬車。アーミッシュの住む地域では日常的に見かける風景だ。(Ashley Gilbertson/The New York Times)アーミッシュの人びとはキリスト教の戒律を厳格に解釈しているため、早婚で子沢山だ。共同体では人口増加が著しく、土地の価格が高騰している。そのため農業や牧畜を主体とした自給自足の生活を離れ、商店経営など外部世界と関わる仕事に就く人が増えた。 芝刈り作業の合間の一休み。
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