美術史家の木村三郎氏は、1719年の美術館収蔵作品目録のなかでザビエルの面会者を「Kaiser von Japonien」(日本の王)としていることや、壇上の王が立ち上がってザビエルを「強い情念を抱きつつ迎えている」ことが、フェルナン・メンデス・ピント『東洋遍歴記』の「座っていた場所から5、6歩踏み出してきて彼を迎えた」と記す「豊後大名が、ザビエル師に示した敬意」の記事に一致することなどから、「当該作品は、ザビエルを歓迎する大友宗麟を描いたもの」と結論している(木村三郎「ヴァン・ダイク作、通称《日本の王に拝謁する聖フランシスコ・ザビエル》について」)。 大友義鎮を描いた絵画史料は、他のヨーロッパ諸国でも複数確認できる。 【続きの「日本初紹介!ルーベンスの弟子が描いた戦国大名・大友義鎮の「驚きの姿」」では、ベルギーで発見され、日本では未紹介の大友義鎮の絵画史料を紹介します。】 * 一国の「王