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ブックマーク / p-shirokuma.hatenadiary.com (65)

  • 良いところも悪いところもあった映画『トラペジウム』 - シロクマの屑籠

    ※この文章は映画『トラペジウム』のネタバレを平然と含んでいます。心配な人はブラウザバックしてください※ 『トラペジウム』、褒めてる人もみんな微妙に褒め方違うし、違うのにみんな凄く思い入れと自信があるし、なんか感想がだんだん自分語りっぽくなっちゃうし(オレも実際そうだった)、なんかこう「ロールシャッハテスト映画」なんじゃねぇかなぁ、という気がするんですよね……— 前島賢(大樹連司) (@MAEZIMAS) 2024年6月10日 前島賢さんがおっしゃるには、映画『トラペジウム』はロールシャッハテストであるという。実際、X(旧twitter)では色々なオタクの人がこの作品について色んなことを言っているのを目にした。そこで私も観に行ってみることにした。噂にたがわず、お客さんは少なかった。 「アイドルを目指す主人公が、東西南北(仮)という四人組をつくってアイドルを目指す作品、今流行のギスギスシーン有

    良いところも悪いところもあった映画『トラペジウム』 - シロクマの屑籠
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    hyougen 2024/06/12
  • 井芹仁菜と後藤ひとりという"野生動物" - シロクマの屑籠

    ガールズバンドクライの井芹仁菜もぼっちざろっくの後藤ひとりも、どちらもセロトニンが乏しくアドレナリンやコルチゾール多そうな雰囲気をまとっていて、社会の家畜になりきれないキャラクターってところは似ているわけですが、— p_shirokuma(熊代亨) (@twit_shirokuma) 2024年5月21日 X(旧twitter)のタイムラインを眺めていて、バンドをやっててロックというキーワードの出てくる二人の主人公についてあれこれ言っているのが聞こえて、思ったことを30分一勝負にて。 「ロックとは何か」というややこしそうな話題はさておき、『ガールズバンドクライ』の井芹仁菜と『ぼっち・ざ・ろっく!』の後藤ひとりはどちらも、なんだかヒリヒリしていて、社会適応が上手とは言えない主人公なのは共通していますよね。 TVアニメ『ガールズバンドクライ』Vol.1<豪華限定版> (CD付) [DVD]

    井芹仁菜と後藤ひとりという"野生動物" - シロクマの屑籠
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    hyougen 2024/05/23
  • 取引みたいなコミュニケーションは、誰にとって都合良いのか - シロクマの屑籠

    今、研修医時代ぐらい忙しくて生きた心地がしない&働きすぎで急速に老け込みそうだと感じていますが、そうしたなか、書評のお仕事をいただきました&こなしました。 gendai.media 書評させていただいた作品は村雲菜月さんの『コレクターズ・ハイ』。上掲リンク先にも書いたように、コレクション大好き系のオタクの物語だと決めてかかると足元をすくわれる思いがするかもしれません。 コレクターズ・ハイ 作者:村雲菜月講談社Amazon 作品にどのようなメッセージが含まれているのか。これは読み手次第でしょうけど、私には、以下のポイントが刺さりました。 1.たとえばキャラクターグッズをコレクションしている時、私たちはどこまで癒されていて、どこまで行動嗜癖的に病んでいるのか 2.資主義の商品を作ったり、資主義の商品そのものになったりして疲れ、傷ついている私たちが、それを癒す際にも資主義の商品に依存し、と

    取引みたいなコミュニケーションは、誰にとって都合良いのか - シロクマの屑籠
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    hyougen 2024/05/14
  • 初代ファイナルファンタジーの思い出 - シロクマの屑籠

    news.denfaminicogamer.jp リンク先は、ファミ通のサイトにアップロードされた、初代『ファイナルファンタジー』(ピクセルリマスター版)の記事だ。タイトルに"実はSFだった(?)"的なことが書かれているためか、はてなブックマークには賛否さまざまな声があがっていた。 私はどこまでSFでどこからがファンタジーなのか、定義づけには興味がない。ただ、1987年に実際にファイナルファンタジーをとおして体験したのは純ファンタジー風の体験からそうではない体験に変わっていくもの、少なくとも『ドラゴンクエスト』や『ハイドライド』や『ザナドゥ』とはちょっと違った趣向だった。 これも機縁、楽しくてしようがなかった初代ファミコン版『ファイナルファンタジー』の楽しかったところを書き残してみる。 思い出話の前に:『ファイナルファンタジー』が発売された頃の時系列 ファミコン版『ファイナルファンタジー』

    初代ファイナルファンタジーの思い出 - シロクマの屑籠
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    hyougen 2024/04/22
  • 40代の終わりに、年の取り方について私が考えていること - シロクマの屑籠

    残り時間がどれぐらいかわからないなかで、どう日々を過ごし、年を取っていくか。 1975年生まれの私は、今、40代最後の時間を過ごしている。40代のはじめのうちは、中年になったことの驚きがあり、そこに今までに無い面白さを見出していた。その驚きと面白さを言語化したのが『「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?』だったが、5年以上の歳月が流れ、当時の驚きと面白さは過去のものになった。老年期が始まった時に再び面白さと驚きを発見するかもしれないが、現在の私は中年期のたぶん真ん中にいて、とにかく中年をやっている。 そうしたなか、40代最後の時間を全力で駆け抜けてきた。寿命が縮むような橋も渡ってしまっただろう。そのかわり自分がやりたいことをやりたいように・悔いの残らないように挑戦できたのはとても良かったと思う。 年を取っていくスタンスには大きな個人差があり、年齢の数字にこだわ

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    hyougen 2024/03/27
  • 丸善京都の熊代亨選書フェア@はてなブログ編 - シロクマの屑籠

    ・丸善京都店、『人間はどこまで家畜か』刊行記念・熊代亨選書フェア ご好評いただいている『人間はどこまで家畜か』にまつわるや問題意識が近いを集めたフェアを、丸善京都店さんで開催していただいています(ありがとうございます!)。そちらで紹介されているについては、京都丸善店さんで実際に手に取ってみていただければと思います。 このブログでは、ぎりぎり選外になったや、値段が高すぎたり難易度が高かったりして紹介をためらった、諸事情から選外に漏れたなどをまとめて紹介したいと思います。 1.ちょっと重たいかもと思って紹介しなかった ヘンリック『文化がヒトを進化させた』 文化がヒトを進化させた―人類の繁栄と〈文化-遺伝子革命〉 作者:ジョセフ・ヘンリック白揚社Amazonハーバード大学の進化生物学教授が書いた刺激的な。ヒトの進化が文化を創りだしたのは昔から言われていることですが、この

    丸善京都の熊代亨選書フェア@はてなブログ編 - シロクマの屑籠
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    hyougen 2024/03/04
  • 教養としての『ダンジョンズアンドドラゴンズ(D&D)』 - シロクマの屑籠

    はじめに ダンジョン飯 1巻 (HARTA COMIX) 作者:九井 諒子KADOKAWAAmazon アニメ『ダンジョン飯』が人気ですね。 ダンジョンで飯をうという非常識がグルメにもギャグにもなっていて、いちおうシリアスな話も進行していく『ダンジョン飯』。今日のお題は、そのインスパイア元っぽいRPG『ウィザードリィ』のさらにご先祖様の『ダンジョンズアンドドラゴンズ』(以下『D&D』と表記)です。 今、『D&D』の雰囲気をいちばん簡単・忠実に味わえる作品といえば『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』でしょうか。 ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り 4K Ultra HD+ブルーレイ[4K ULTRA HD + Blu-ray] クリス・パインAmazon 『アウトローたちの誇り』は、種族も性格も技能も違うキャラクターたちが喧嘩したり協力しながら旅を続ける物語ですが

    教養としての『ダンジョンズアンドドラゴンズ(D&D)』 - シロクマの屑籠
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    hyougen 2024/02/09
  • 「後藤ひとりと喜多郁代はよくできたナルシスト」って説明した時の話 - シロクマの屑籠

    昔、ある編集者さんと「いいね」や「推し」について喋っていた時に、「『いいね』も『推し』も有害なんじゃないですか?」といった質問をいただいたことがありました。 「そんなことはありません。有害になってしまう人もいるけど、ほとんど無害な人もいるし、有益になっている人もいますよ」と私は答えました。なるほど、『いいね』や承認欲求のために迷惑なことをする人もいるし、金銭的・社会的に破綻するような推し活しかできない人もいます。でも、そんな人は少数派でしかなく、世の中にはそれらを飛躍の原動力にしている人だっています。 このことを編集者さんにわかりやすく説明をしなければなりません。そのとき、私の脳裏に『ぼっち・ざ・ろっく!』の結束バンドの四人組、なかでも後藤ひとり(通称・ぼっちちゃん)と喜多郁代(通称・喜多ちゃん)が脳裏に浮かびました。 青春コンプレックス(初回仕様限定盤) アーティスト:結束バンドアニプレ

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    hyougen 2024/01/18
  • かつて私たちがいた世界『窓ぎわのトットちゃん』 - シロクマの屑籠

    映画『窓ぎわのトットちゃん』 オリジナル サウンドトラック NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパンAmazon ある人から、「シロクマさんは『窓ぎわのトットちゃん』を見ておいたほうがいいと思う」と勧められ、疲れたまま週明けを迎えようとしている連休最終日に観に行った。映画館に来ているお客さんは大半が私より年上で、公開から約1か月にもかかわらず客席は結構埋まっていた。 私は原作を読んでいないし、この作品を作った人たちがどういう狙いで制作したのかを知らない。この作品を自分がどう受け取めたのかを確かめてみたかったので、パンフレットのたぐいを買わなかったからだ。インターネット上での評価や噂話もほとんど知らない。先週までノーマークだったからだ。 「トットちゃんはADHD」では片づけられない世界 映画が始まって間もなく、一般的な小学校に通学するトットちゃんが描かれる。私はまず、ここでスゲーと思っ

    かつて私たちがいた世界『窓ぎわのトットちゃん』 - シロクマの屑籠
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    hyougen 2024/01/10
  • 働きすぎるとブログもSNSもできなくなって視野も狭くなるな - シロクマの屑籠

    2023年に入ってから働きすぎているが、9月ぐらいから労働が極まってきて、次第に息が詰まりそうになったり睡眠がとりづらくなってきた。実働時間でいえば研修医時代を上回っている気がする。寝ている時間以外、だいたい何かをやっているからだ。 20代や30代の頃、働くのはとにかくイヤなことで、それが仕事である限りともかく負担だった。それに比べれば今は仕事慣れしているし、その一部が自分の関心領域に寄ってくれたとも言える。特に文章をつくる方面は今でも好きだ。手が痛くならない限りで、カルテを書くのだってそれなり好きだったりする。 で、朝から晩まで、楽しみといえば『葬送のフリーレン』を観ることぐらいの毎日を過ごしていると、時間的制約以上に体力的制約から、ブログやツイッターを書くことが難しくなり、新しい小説やアニメやゲームに触れることも難しくなる。『ブルアカ』や『セーリングエラ』が遊びかけのまま私の帰りを待っ

    働きすぎるとブログもSNSもできなくなって視野も狭くなるな - シロクマの屑籠
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    hyougen 2023/10/18
  • 誰もが表現者になれる時代はとっくに終わってるんだよ - シロクマの屑籠

    今回の内容は、以前にも誰かが書いていたかもしれない。でもこれから私が書くことを一字一句違わず書いた人はいないはずだから、誰かに届くかもと期待しながら記してみる。 インターネットの普及期と現在を比較して、違っているところを挙げるとしたら何が挙がるだろう? アングラ感の強弱。インターネットの多数派がどんな人なのか。コミュニケーションの主な手段がウェブサイトかブログかSNSか動画か。挙げれば色々ある。 今日、まとめたいのは「誰もが表現者になれる時代の終わり」についてだ。 インターネットではさまざまな新しいネットサービスが流行っては廃れを繰り返してきた。そして共通点がある。どのサービスでも、流行期には「誰もが表現者になれる」という夢が薄らぼんやりと漂い、それに釣られて集まってくる人々がいた。 90年代から00年代のはじめはウェブサイトの時代だった。この頃インターネットをはじめたアーリーアダプターた

    誰もが表現者になれる時代はとっくに終わってるんだよ - シロクマの屑籠
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    hyougen 2023/08/30
  • 絵本の周波数で宮崎駿アニメを観てみませんか - シロクマの屑籠

    (この文章は『君たちはどう生きるか』のネタバレをあまり含みません。終盤にちょっと含みますが、twitterほどは含まないでしょう。それから宮崎駿アニメ全体の話についてがメインです) 漫画 君たちはどう生きるか 作者:吉野源三郎,羽賀翔一マガジンハウスAmazon 『君たちはどう生きるか』が公開されて一週間が経った。SNSnoteはてなブログなどにはたくさんの感想や批評や見方がズラリと並んでいる。個人的には、博覧強記で経験豊かなアニメ愛好家が読み解いたネタバレ記事に惹かれた。専門家みたいな読み解きかたは難しい。それだけに、それが出来る人の文章にはリスペクトを感じる。 反面、あまり楽しめていない人、つまんないって言っている人も結構みかけた。インフルエンサーによる「駄作だ」というメンションに「いいね」が集まっていることも。それもわかる気がする。もはや国民的アニメでもあるいにしえの宮崎駿アニメ

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    hyougen 2023/07/21
  • 命を管理する社会の行きつく先として『PLAN75』を見た - シロクマの屑籠

    疲れ切った身体でブログを書こうとしている。約17年前、ブログを書き始めた頃には何時間でもキーボードを打てたが、当時の私はもういない。午後9時には休みたいと主張するこの身体には老の影が忍び寄っている。しかし70代80代ともなればこんなものではないはずだ。それでも生きている高齢者は実はとてもすごいと思う。現在の私より疲れやすい身体と神経で生きているのもすごいし、現在の私より疲れにくい身体と神経で生きているのもすごい。長く生き、老いても生きることの途方も無さ。そうしたことを思っている折、映画『PLAN75』がアマゾンプライムに来ているのを発見して見てしまった──。 PLAN75 倍賞千恵子Amazon 『PLAN75』は、75歳を迎えた高齢者が自分で生死を決定できる制度が国会で可決された近未来? を描いた作品だ。作品世界では"プラン75"という高齢者が自主的に安楽死を選べる制度を巡って、いくつか

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    hyougen 2023/03/02
  • 『戦闘妖精雪風』から、SFの奥行き・果たした役割を思う - シロクマの屑籠

    戦闘妖精雪風 Blu-ray Disc Box (スタンダード版) 堺雅人Amazon 師走に入ってからとにかく忙しくて、原稿をやっているか臨床をやっているかの日々が続いている。そうしたなか、アマゾンプライムにアニメ版『戦闘妖精雪風』がリストされているのに気付いた。OVA版で、全部あわせても3時間あるかどうか。じゃあ少しずつ観ようと思って手を出したら、たちまち全話を見る羽目になった。この後、小説版を確かめることになるだろう。 戦闘妖精・雪風(改) 作者:神林 長平早川書房Amazon これは非常に豊かな体験で、過去と現在と未来のアニメやゲームライトノベルに思いを馳せたくなった。 アニメ『戦闘妖精雪風』について はじめに、アニメ『戦闘妖精雪風』について。この作品は、早川書房から出た小説『戦闘妖精雪風』をベースにつくられた、2002~2005年のOVAアニメ作品だ。アニメとしては『新世紀エヴ

    『戦闘妖精雪風』から、SFの奥行き・果たした役割を思う - シロクマの屑籠
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    hyougen 2022/12/07
  • 生きるって本当はこういうことだ──『すずめの戸締り』雑感 - シロクマの屑籠

    ※途中からネタバレがあるので、気になる人は引き返してください。 小説 すずめの戸締まり (角川文庫) 作者:新海 誠KADOKAWAAmazon 雨降る日曜日、すずめの戸締りを観に行くことになった。事前に知っていたのは新海誠が監督だということ、それだけだった。 ぜんぶ見終わって、とても良い映画だったけれども自分のストライクゾーンとは違うと感じた。つまんなかったわけでも、感情的に癇に障ったわけでもない。まったく楽しい二時間だった。新海誠監督はこんな作品を日社会に押し出せる/押し出すようになったのですねと驚いた。尺のテンポもキャラクターも良かった。創作のきわみにある人とその制作陣は、こんな創作ができちゃうのかと痺れまくった。舌を巻くしかない。 前作『天気の子』や前々作『君の名は』に引き続いて、この作品の舞台や出来事にああだこうだ言う人が出てくると予測される。制作側としては、そのように批判する

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    hyougen 2022/11/14
  • 上等な百合アニメだった──『リコリスリコイル』、雑感 - シロクマの屑籠

    ねんどろいど リコリス リコイル 錦木千束 ノンスケール プラスチック製 塗装済み可動フィギュア グッドスマイルカンパニー(GOOD SMILE COMPANY)Amazon リコリスリコイルを上質な百合アニメだとみなすようになったのは、いつ頃からだっただろうか。 「そんなの最初からに決まっている」という人もいるだろう。序盤から千束とたきなの二人はかわいらしく、かしましかった。オープニングテーマの蹴りあうシーンは、何度見ても飽きない。 いや、そういうことじゃなくて。 「『リコリスリコイル』はとにかく上質な百合アニメとみなして眺めれば良い、それぐらいの目線で見るのがベストだ」と自覚して、視聴態度というか、視聴照度というかを変更したのはいつ頃だったのかな? と振り返ったりした。 それは中盤あたりからだったように思う。 はじめ、『リコリスリコイル』は、千束とたきなのかしましさや、ガンアクションが

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    hyougen 2022/10/02
  • 『リコリコ』のかわいさ・気味悪さ、それからいまどきの搾取 - シロクマの屑籠

    (※この文章は『リコリス・リコイル』のネタバレを含んでいるので読みたくない人は回れ右をしてください) anond.hatelabo.jp はてな匿名ダイアリーに、アニメ『リコリス・リコイル』(以下、『リコリコ』)の気味悪さを指摘する文章が書かれていた。気持ち悪い・鼻につく、等々と書かれているので批判的な言及として受け取っていいのだろう。 でも私は、ここで批判的に書かれているところが嫌いになれない。その鼻につく成分が、都合良くデフォルメされた『リコリコ』の世界に添えられたリアリスティックな薬味になっていると感じられるからだ。 「大人による無自覚な搾取構造」というリアリティ 上掲のはてな匿名ダイアリーでは、 前線の少女と銃後の大人という構造からガンスリ(とかエヴァとかあのへん)の亜種として良いと思うが、それら先行作品と比べたとき、リコリスが少女のみで構成される理由(※)や、少女を前線に立たせる

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    hyougen 2022/08/12
  • 世界は美しいが醜い──アニメ『平家物語』 - シロクマの屑籠

    2022年の冬アニメをじっくり鑑賞している暇は無いのだけど、どうしても観ないわけにいかないと目を付けていたのが『平家物語』だった。 絵柄も話題性も自分が好きな方面の作品ではなく、アニメの通人が云々する方面のようにもみえた。とはいえ尻込みしていられない。なぜならタイトルが『平家物語』だから。祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響きあり。それなら観るしかない。 www.youtube.com で、観た。 かじりついて観てしまっている。 9話まで観たが、この9話のなかで平家の栄枯盛衰がおおよそ描かれきっていた。私は原作でお寺が燃える話がすごく好きで、善光寺などは、ほとんどとばっちりのように炎上していてそれも好感が持てるのだけど、このアニメ版でも寺社がしっかり狼藉&炎上している。平安時代末期の末法観に彩りを沿えていて、とても良かった。 娑婆は美しくも醜い。人もまた。 もちろん寺社の炎上ばかりが『平家物語』

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    hyougen 2022/03/16
  • 生きに生きて40歳、俺らは結構長く生きた - シロクマの屑籠

    pha.hateblo.jp phaさんのエッセイは、焼きたての手作り菓子のようで、そのようなエッセイにツッコミや言及を入れるのは野暮であり、無粋でもあるのだけど、寒くてどこにも出かけたくない気分だったので、これを書くことにした。 まずphaさんへの私信のようなものとして。 「過ぎ去った若さについて書くとしても、50代になってから書くと、もう完全に枯れきった感じの遠い目線になってしまうと思うんですよ。でも、40代初めの今ならまだみずみずしい喪失感を書けるんじゃないでしょうか」 確かに、それはそうかもしれない。それは今しか書けないことな気がする。 40代くらいで、僕と同じような虚無を抱いている人は他にもいるだろう。そういう人たちに向けた文章になるのだろうか。中年には中年にしか書けないことがあるのかもしれない。そういう方向性でちょっとやってみようか。 https://pha.hateblo.j

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    hyougen 2022/02/06
  • 今までの人生で脳汁が出たコンテンツ62本 - シロクマの屑籠

    今までの人生で脳汁がでるほど嵌ったコンテンツ125 +α - orangestarの雑記 数日前に、小島アジコさんが「今までの人生で脳汁がでるほど嵌ったコンテンツ125 +α」という長ったらしい文章をブログに書いておられた。あの滅茶苦茶な長文は、不特定多数が読むことを度外視した、ふた昔ほど前のブログの文章、というよりウェブサイトの文章のようだった。 で、読んでいるうちに自分も同じことをやってみたくなった。そうすることで、私と小島アジコさんの嗜好の違いや来歴の違いだけでなく、「脳汁が出るほどハマッたものの定義の違い」みたいなものも詳らかになる気がしたからだ。このブログの常連読者さんでない人には読む価値の無い文章なので、それでも読みたい人だけ付き合ってやってください。 小学校低学年まで 小学校低学年だったのは昭和56年~59年ぐらい、ファミコンはまだ普及していなかったしビデオ録画もできなか

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    hyougen 2022/01/26