サックス・プレイヤー、ジョシュア・レッドマン。2011年現在におけるジャズというアートフォームに対する彼の偽らざる思いとは。以前からジョシュアの類稀なるクリエイティビティに注目し、彼へのリスペクトを公言してきた作家・平野啓一郎が迫る。 ジェイムス・ファーム 『ジェイムス・ファーム』 ジョシュア・レッドマン(sax)、アーロン・バークス(p)、マット・ペンマン(ba)、エリック・ハーランド(dr)の四人がそれぞれ対等な立場でコラボレーションした「バンド」形態による、全編オリジナル曲で構成されたデビューアルバム。 ▷ジャズを根底から変えるための、大きなプロセス ジョシュア・レッドマンのバンド名義のアルバム『JAMES FARM』は、10年代の彼の活動を大いに期待させる快作である。 ジョシュアが、現代のジャズ界に於いて、最もクリエイティヴなサックス・プレイヤーであることは、誰も異論がないだ