ハンガリー映画といえばネメシュ・ラースロー『サンセット』が公開され、エニェディ・イルディコ『私の20世紀』やタル・ベーラ『サタンタンゴ』がリバイバル上映される今年は正にハンガリー映画イヤーと言えるかもしれない。 新たな道を模索したハンガリー映画界はドキュメンタリーという分野から多くの手法を吸収することで、新たな黄金時代を築き始めた。今回は共産主義政権が崩壊する前夜にもう一度花開いたハンガリー映画二度目の黄金時代についてご紹介!例の如く長くなってしまうので分割してお届け!遂にタル・ベーラ登場! ・新たな語り口 映画と同様に文学の80年代も1979年に始まった。実際の出来事や人物を題材とした長編映画が初めて公開された年でもあった。これら題材となった出来事や人物が共産主義政権時代全てを象徴することになるとは思ってもみなかったようだ。このような映画は、概して常時危機的な状況を生きていかねばならなず