日銀は、2014年6月までの半年間の金融政策決定会合の議事録を公開しました。黒田総裁のもと2%の物価目標を2年程度で実現するとして異次元の金融緩和策を始めてから1年ほどがたち、委員の間で目標の実現に対する認識に差が出ていたことが分かりました。 日銀が黒田総裁のもと国債の大量買い入れなど異次元の金融緩和策を導入して1年余りが経過した2014年5月の会合で、岩田規久男副総裁は「想定していたメカニズムにおおむね沿った形で効果を発揮してきた。2%程度に達する蓋然性は、以前よりも高まっている」と述べ、2年程度での物価目標の実現に自信を示していました。 一方、木内登英審議委員は同じ5月の会合で「円安効果が一巡し物価上昇のペースはすでに鈍化を始めた可能性がある。物価上昇率は頭打ちから緩やかに低下する方向とみている」という見方を示し、さらに金融緩和による市場機能の低下など副作用についても言及していました。