「くたばれコンピュータ!」を読んだ。元松下電工インフォーメションシステムズ社長であり、現在は経営コンサルタントなどとして活躍する濱田正博エカイユプリュス代表が2008年1月に出版した本である。 聞けば、“新3K職場”と言われ、就職先として人気のなくなったシステムエンジニア(SE)の復活を願って書いたのだという。日本での情報システム産業の歴史は50年になるが、そのうち30年を当事者として目の当たりにした濱田氏ならではの現場感で、この産業の変遷を振り返る。「くたばれコンピュータ!」というタイトルだが、コンピュータに振り回されることなく、こき使ってやろうではないか、という濱田氏の気概が反映されたものらしい。 筆者の目を引いたのは「SE今昔物語」と題した最終章である。ここで濱田氏は、SEという職業そのものに注目して持論を展開する。SEの仕事の内容を再定義し、どのような人間が求められるかを議論し、そ