中堅・中小企業のITコンサルティングをやっていると,同じような問題に突き当たることが多い。筆者がよく遭遇する問題を三つ挙げるなら,(1)社長だけが突出して問題意識を持っている,(2)何事にもルーズな社風が根付いている,(3)ITの管理者が小さな王国を作っている,である。どれも簡単には解決できない難問であり,この三つに共通する弊害はエンドユーザーが動いてくれないことである。 (1)の場合は社長と社員との間に意識の温度差がある。「また社長の道楽が始まった。今度はITコンサルタントを連れてきて,経営の情報化をやるんだってよ」といった感じで自発的に動いてくれない。 (2)も深刻である。会議に人が集まらない。5分10分の遅れは全く気にせず,不参加でも事前に何の連絡もない。「Aさんは?」「外出しているみたいです。そういえば,会議に出られないと伝言がありました」といった体たらくである。会議で決めた翌週ま