<趣味人を引きつけるアキバ> 80年代には、家電の街として、海外からも「メイドインジャパン」の良質な家電製品を求めて、買い物客が集まった。大型の家電店舗が郊外に移り、家電は、秋葉原でなくても安く買えるようになった。 パソコンの部品を売る店は、残った。たまたま、パソコンを部品から組み立てることができる人たちの中に、パソコンゲームを好む人が多く、アニメ、ゲームと客層が似ていた。 97年、アニメの「新世紀エヴァンゲリヲン」がヒット。エヴァンゲリヲンのキャラクターを模したコスプレイヤーたちが、秋葉原に集うようになった。このころのコスプレイヤーたちの心情を想像してみると、「渋谷でコスプレをするのは気が引けるが、アキバならOK」。アキバには、潜在的に存在したコアなファンを受け入れる度量の広さがあったのではないか。 千代田区のまちづくり推進部の担当者は「行政側で誘導したわけではない。自然発生的に、こだわ