【ニューデリー=岩田智雄】インドのPTI通信によると、ジョシ印海軍参謀長は3日の記者会見で、中国海軍の増強に深い懸念を示し、南シナ海での航海の自由やベトナムとの共同資源開発を守るため、必要があれば艦隊を派遣する用意があると述べた。軍幹部が、南シナ海問題で強い姿勢を表明するのは異例。 ジョシ参謀長は、南シナ海での偶発的な衝突の備えを問われ、中国海軍について、「近代化が実にめざましい。われわれの懸念の非常に重大な要因だ。取り得る措置と戦略について検討し、立案していく」と述べた。また、「(航海の自由や資源探査など)国益に関わる事態で必要があれば、現地へ行くことが求められるし、備えてもいる」とした。ただし、インド海軍は、南シナ海に十分な艦隊を展開する装備は持っておらず、発言は中国を牽(けん)制(せい)する狙いがあるとみられる。