作曲家・山田耕筰(こうさく、1886~1965)の歌声を収録した大正末期のSPレコードが新たに見つかった。自ら作曲した「関西大学学歌」の歌い方を示すために独唱したもので、「幻のレコード」とされてきたものだ。数多くの童謡の作曲者として知られる山田が、熱心な歌の指導者だった一面も示している。 東京都内在住のコレクターが昨年10月、東京・神田の中古店で見つけて購入。関西大OBを通じて大学側に伝えられた。1923(大正12)年ごろ録音されたA面のみの3分12秒で、山田がピアノ伴奏に合わせ学歌の全3番を歌い上げた。関大は音源をデジタル化し、インターネットで公開する準備を進めている。 音楽史研究家の郡修彦(はるひこ)さん(51)によると、山田の歌声が収められたレコードは関西学院大の校歌など5点ほど確認されている。ただ、いずれも昭和初期の録音で「大正時代のものは例がない」と指摘する。
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