イオンの株価が12月8日、前日比51円高となる879円まで急騰した。前週末に、三菱商事が同社の発行済み株式総数の5%程度を市場買い付けによって取得し、筆頭株主に躍り出るとの観測が流れ、これを材料視するかたちで買い注文が入った模様だ。 同社は「報道内容のような事実はない」としているものの、仮に実施された場合、業績低迷によって資金調達力が低下していたイオンにとって、新たな資金調達先が確保できる点は好材料と言えるだろう。 ■リストラ資金をねん出し、事業再編により営業基盤を整備 上の表は、イオンの中期資金計画である。同社は、05年2月期から08年2月期までの4年間に積極的な店舗拡大策を採っていたため、本業から得られた現金を表す営業キャッシュフローに比べて、設備投資などの金額を表す投資キャッシュフローが4000億円程度も上回る超過投資状態にあった。 だが、このような過度の出店投資に折からの販売