高成長を続けてきた新興国の先行きに不透明感が出ている。新興国からは「米国の量的緩和縮小が資金流出を招いた」との批判もある。新興国に詳しい米モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントのルチル・シャルマ氏に聞いた。――新興国の状況をどうみますか。「新興国は世界経済の35%という大きな比率を占める。すべての新興国を同列に扱うのは間違いだ。国によって大きな違いがある」「過去10年はすべて
アジアなど新興国の通貨が急速に安くなり通貨不安に陥っている。これ以上の通貨安を懸念する各国は防戦に懸命。インドとトルコの中央銀行が二十八日、政策金利の引き上げに踏み切ったのに続き、南アフリカも二十九日に利上げを決定。特にトルコは4・25%に及ぶ異例の大幅引き上げだ。円高による日本経済失速にもつながりかねない新興国の通貨不安の背景と行方を探った。 (大森準) A 先週半ばからアルゼンチンの通貨ペソが一割以上も下げたことが海外の投資家の不安を招き、他の新興国の通貨も一気に下落したためだ。特にトルコやインド、ブラジル、南アフリカ、インドネシアの五カ国の通貨は「フラジャイル・ファイブ」(不安定な五カ国)と呼ばれ、投資家からみれば信用が低い。しかし、従来は米国が大幅に金融緩和をしてきたため、お金はこうした不安定な国にも流れ込んで各国の金融市場を支えてきた。
成長の好循環が続くエマージング諸国 「エマージング」とか「新興国市場」といった言葉を聞くと、全体として、それらの地域の力強い経済成長をイメージします。 実際、エマージング諸国をカバーする代表的株式インデックス(MSCIエマージング・マーケット・インデックス)の構成国の顔ぶれを見ると、成長著しい国々が並んでいることがわかります(図1)。中でもエマージング諸国の代表例であるBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)と呼ばれる国々は20〜30年前、人口や面積で大国である一方で、人々の経済的な豊かさはやや遅れていました。それが20世紀後半、政治・経済システムが変更されたことで人々が経済的な豊かさを手に入れられるようになり、現在、高い経済成長の軌道に乗っています。 高い経済成長の中身を見ると、国家レベルでの道路・港湾といったインフラ整備の投資から、民間需要に牽引された工業・流通・不動産などへの投資
ひと昔前なら想像できなかったことだが、近年、湾岸産油国が代替エネルギーへの関心を強め、開発・投資が相次いでいる。グローバルな環境意識の高まりや、国の持続的発展をにらんだエネルギー保障の観点から、「単品経営」からの脱却を図ろうとしているのだろう。アラブ首長国連邦(UAE)のように、国家として戦略的に取り組む国も出ている。世界最大の原油確認埋蔵量を保有するサウジアラビアも、地球環境問題、国内のエネルギー問題など諸般の理由から代替エネルギー活用に向けての新たな模索が始まっている。 グローバルな環境政策との強調 2006年にサウジアラビアは、「石油は『特定の先進国により選択された』環境政策の被害者」になるかもしれないとの懸念を表明し、クリーンエネルギーと経済発展のバランスが必要だとの声明を出した。 原油収入に大きく依存するサウジアラビアにとって、先進国の環境政策がサウジアラビアの持続的な経済成長に
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く