個人が年金資産を運用して、その成績によって老後の受取額が変わる個人型確定拠出年金(個人型DC)。来年一月に加入対象が拡大され、専業主婦や公務員、企業年金がある会社の従業員も加入できるようになる。ファイナンシャルプランナー(FP)らは「老後に備えて積み立てるには、非常に有利な仕組み」と口をそろえる。どんな特徴があり、加入前に気をつけたい点はどんなことなのか。三回にわたって考える。 (白井康彦) 「余裕のある生活ではなかったが、こつこつ積み立ててきてよかった」。大阪のFP、尾上堅視さん(40)は、こう振り返る。設計関係の個人事業主だった三十二歳のときに個人型DCに加入。掛け金は今年十月末までの合計で二百万円。投資信託の運用がうまくいき、資産評価額は二百九十七万円に膨らんだ。 加入のきっかけは将来への不安だった。個人事業主の公的年金は国民年金のみ。「老後の年金がそれだけでは大変」と考えた。その後
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