前回、複数の担当者が共謀して不正を働くケースの防御策を考え、対策として3つの施策を紹介した。今回は、日本より数年先行している米国SOX法のケースを取り上げ、米国におけるSOX法の問題点を探る。 米国SOX法対応に費用が掛かったのは規制当局のせい? 米国では米国SOX法への対応に、1社当たり平均で5億円とも10億円ともいわれる費用が掛かったそうです。 その要因は、監査費用がこれまでの2倍になったことと、それだけの監査に耐え得る内部統制の文書化と評価のために、システム作りなど費用を費やしたからです。それだけ投資したにもかかわらず、実施1年目(2004年)には16%、そして次年度でも7%の企業が「その内部統制は有効ではない」と評価されるなど、厳しい結果となりました。 これはなぜでしょうか? それは、SOX法そのものが原因ではなさそうです。米国SOX法では基本的に、 1.経営者は財務報告にかかわる