<「一つの中国」を「認知」しても「支持」せず、「戦略的曖昧性」をとってきたアメリカ。しかし、習近平が台湾を「必ず取り戻す」と公言している以上、バイデンの「3回目の失言」を機にオープンに議論すべきだ> もしも中国が台湾を攻撃したら、アメリカにはその防衛に手を貸す用意と意思がある──米大統領ジョー・バイデンは5月23日、東京での記者会見でそう明言し、世界中を驚かせた。まさか、40年来の基本政策を捨てたのか? 事は対中関係の根幹に関わる微妙な問題なのだが、大統領はまたしても、軽率に口を滑らせたのか。あるいは熟慮の末に、新たな方針をさりげなく打ち出したのか。 毎度のことだが、明確な答えはない。計算ずくなのか、よくある失言の1つなのか。この発言がプラスになるのか、マイナスになるのか。いずれにせよ、アメリカと台湾の関係に新たな不確実性の要素が加わったのは確かだ。 会見でこの発言が飛び出したのは、中国が